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「一人の語り部を失った」=安立氏初七日法要に400人

8月26日(火)

 四十六年間、まさに文協一筋の人生を送った前事務局長安立仙一さん(法名・釈仙真)の初七日法要が、文協大講堂でブラジル別院南米本願寺(東本願寺)により、しめやかに執り行われた。日系諸団体などから約四百人の弔問客が訪れた。
 上原幸啓文協会長は「文協の歴史の一コマ一コマに陰となって文協を支える安立さんがいた。四十六年の苦労に敬意を払い、文協の発展に一層の努力をしていきたい」と霊前で誓った。 四年間文協会長として共に仕事をした岩崎秀雄前会長は「会長という重責を全うできたのは、安立さんのおかげ。今だに信じられない思い」と声を震わせながら、時折ハンカチでまぶたを拭った。
 四十年以上も公私ともに付き合いのあった田村吾郎ブラジル経済報知代表は友人代表として「訃報を聞いた時は思わず、わめいた。慰労会を開こうという約束も果たせないままだった。日系社会は一人の語り部を失った」と弔辞を述べ、悔しさを隠せない様子だった。
 安立さんの後を引き継いだ中島エドワルド剛事務局長は職員を代表して「これからも安立さんの教えを継続し、文協の発展に努めていきたい。見守っていてください」と語った。
 親族代表として、長男の安立哲(あきら)さんがあいさつを述べた。
 読経が響くなか、多数の弔問客は焼香のため、長い列を作り、安立さんの死を悼んだ。

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