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〃新しい煉獄時代〃語る=小井沼さんが二作目上梓

9月23日(火)

 小井沼國光さん(五八、栃木県出身)の二冊目の著作『先駆ける「煉獄時代」のブラジル』が上梓された。小井沼さんは服部セイコー元駐在員(一九八六~九一)で、その時の体験をもとに第一作『南回帰線の彼方より 私のブラジル発見と自己変容の旅』(キリスト新聞社、九四)を発表。
 小井沼さんは第二作目の主旨を「ブラジルは社会的に見れば、貧富の差を含めて様々な戦いがある煉獄社会であるが、国民一人ひとりに焦点をあてて見ると、先進国にはない自由さ、明るさ、そして喜びがある。日本を含む先進国の人々は、これから〃新しい煉獄時代〃を迎える中で、ブラジルなど発展途上国の人々から様々なことを学ぶ時代に差しかかっている」と説明する。
 九二年から日本聖書神学校に入学し、九四年に退社。九六年に卒業と共に日本基督教団の海外宣教師としてブラジルに赴任した。現在はサンパウロ福音協会の牧師として、在伯七年になる。その間、現地に関する考察を、日本の支援者グループに「サンパウロ通信」として年に二回送っており、その中から抜粋する形で本書となった。
 色々な文献からの参照や統計データも多く、体験にもとづいた客観的な記述を心がけている点が特徴のよう。同書は七百部印刷され、高野書店(11・3209・3313 takanoshoten@nethall.com.br)で三十レアルで販売されている。

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