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ソニー=アイワ製品を再発売=350万㌦投資で首位奪回へ

10月3日(金)

 世界のトップ企業、ソニー・グループが、いま、音響機器で知られるアイワ製品を再発売することで、ブラジル市場の注目を浴びている。関連のソニー・ブラジル、板谷稔社長は、アマゾナス州のマナウス工場に製造着手のため百五十万ドルを注ぎ込んだと発表、今後、マーケティング部門に二百万ドルを投資するという。九月三十日付フォーリャ紙、十月一日付エスタード・デ・サンパウロ紙がそれぞれ報じている。
 昨年二月、ソニーがアイワを一〇〇%子会社化し、同社製品はいったん市場から姿を消した。ブラジルではCCEがライセンス生産していたが、昨年七月に契約満了となった。
 ソニーはアイワ製品の製造着手のため、従業員数を増やすことも、多大な投資を行なう必要もなかった。「百五十万ドルの設備投資費用は、年間の工場での投資額の半分」と板谷社長はいう。
 マーケティング部門には設備投資より高額の資金が注入されるが、主にインターネットやラジオ、テレビでの宣伝活動に使われる。「新しいアイワ製品は『挑発的』な仕様になるだろう」と語る。マナウス工場では『メガシステム』と名付けられた低所得者、若者向けの音響機器四種を製造するらしい。
 板谷社長によると、一九九九年以降、為替の変動により、音響機器市場が逆転、以前は販売の六〇%が七百レアル以上の製品だったが、現在は大半の音響機器がより安価になっている。
 ソニーの計画でアイワ製品は、会計年度を迎える来年三月に向けて予測されている利益、二百五十万ドルの一〇%となり、翌年度には、国内販売の二〇%を占める見通し。板谷社長は、「ソニーは高額な自社製品と大衆的なアイワ製品で、二〇〇〇年まで独占していた音響機器分野トップの座の奪還をねらっている」としている。
 アイワは、創業五十年、一九九五年に輸入の形でブラジルに登場した。九八年、CCEとの合弁事業としてマナウス工場を稼働させ、二〇〇二年、アイワの全株式をソニーに売却した。

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