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台湾の建国記念日祝うー在コロニアー台伯関係強化を希求―コチア市に一大寺院建設―来年は仏教大学開校へ

10月14日(火)

  中華民国(台湾)の建国記念日(辛亥革命記念日)に当たる今月十日を前に、駐聖保羅台北経濟文化辧事處(何健功處長)は九日午後八時からサンパウロ市ジャルジン・アメリカ区内のブッフェで祝賀会を開いた。政財界など各界から約五百人が出席。台伯関係の強化などを願った。日系からは小林パウロ連邦下院議員が来賓として招かれた。台湾系禅宗が南米大陸最大の仏教寺院をコチア市に建設。竣工式が五日に開かれたばかりで会場は終始、熱気に包まれていた。
 「十」が二つ並ぶことから台湾の国慶節は双十節とも呼ばれる。辛亥革命によって、アジア初の民主主義政権、中華民国が樹立されて今年が九二年目。
 何處長は「今年はSARSの影響が懸念されていたが、ブラジルからの輸入は大幅に伸長。ブラジルには台湾系移住者が十万人おり、交流事業も活発化している。両国の友好関係を確立させたい」とあいさつ。
 国際社会から除外された形になっている本国の立場に理解を求めた。
 小林連邦下院議員は、台湾を国際社会に取り込むよう、連邦政府に働きかけている議員の一人。何處長はサンパウロ総領事だ、と述べ、会場から拍手喝采を浴びた。
 同議員は「先週、コチア市に南米最大の仏教寺院が完成。台湾系社会の勢いを感じた。サンパウロ市議に二人を輩出していることは、台湾系社会の誇り」と賛辞を送った。
 壇上では、民族舞踊などのショーが企画され、訪れた人の目を楽しませていた。
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 コチア市に完成した仏教寺院は、敷地面積十五万平方メートル。土地は企業から寄贈されたもの。台湾国内外から総額四百万ドルを集めて建設された。
 南米初となる仏教大学も開校。来年二月から、心理学、歴史、哲学などの講座がスタートする。
 設計は台湾系、中国系、日系、ブラジル人の建築家による共作。唐朝時代の様式を取り入れた。
 ジョルジ・スワゾノ氏(六〇)はオ・エスタード紙の取材に対して「伝統と現代の融合に頭を悩ました」と答えている。
 敷地内には百人収容可能な瞑想室や宿泊施設などがそろう。
 【辛亥革命】一九一一年(旧暦で辛亥の年)の十月十日、最後の王朝清帝国打倒を目指した革命派の軍隊が蜂起。南昌をはじめ全国で革命を起こした。海外で独立運動を準備していた孫文が帰国。南京でアジア最初の民主主義政権、中華民国の樹立を宣言、自ら初代大統領に就任した。

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