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岐阜県人移住90周年・県人会創立65周年式典=世代交代し交流団体へ=5年後には花火大会も

10月26日(火)

 とってもよろしかったです――。一九一三年の若狭丸で渡った最初の岐阜県人四十四人の一人、池戸富江さん(九三、郡上八幡出身)は式典を終え、満足げな表情で語った。
 三歳で渡伯した富江さんの横には娘の橋本富貴子さん(七四、二世)、孫の橋本マリさん(四九、三世)、ひ孫の橋本ルイス・アントニオ(三〇、四世)の姿もあり、岐阜県人がブラジルの大地に根を張り、発展している様子を象徴しているようだった。
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 二十六日午前十時から文協記念講堂で開催された「岐阜県人ブラジル移住九十周年・岐阜県人会創立六十五周年記念式典」には、日本からの慶祝使節団約百人と県人会関係者約四百人が出席し盛大に祝われた。
 式典に先立ち、勲章授与式が行われ、ジルソン・バレットサンパウロ市議からアンシェッタ章の授与が渡辺信行・県議会議長に、杉山幹夫・岐阜新聞社長にはサンパウロ州政府からバンデイランテス章が伝達された。なお、梶原知事には二十四日にサンパウロ州政庁ですでにバンデイランテス章が渡されている。
 山田彦次県人会会長は、「二つの祝い事が重なる節目の年。思考転換元年にしたい。親睦団体から交流団体へ。二世、三世への世代交代を進めながら、母県との絆を強めていきたい」とあいさつした。
 梶原知事は、「若い人の交流を盛んにしてもらおうと思って、ノートパソコンを寄贈します。県人の皆さんが誇れる岐阜、日本にしていきたい」と語った。
 その後、細江茂光・岐阜市市長、中川鮮・中津川市長、杉山・岐阜新聞社長らが祝辞を述べた。中でも杉山社長は同社が行った十年前(USP構内)と五年前(ジョッキー・クラブ)の花火大会に触れ、「県人移住百周年の時には間違いなく花火をやりたい。もしかしたら、五年先かな」と約束した。
 さらに功労者知事表彰や感謝状の授与、記念品目録の贈呈などが行われ、県民歌が斉唱された。昼食をはさんで午後三時まで来賓の歌手・山田かおりさんのソプラノ・コンサートや、郡上おどりが披露され、知事夫妻は最後まで鑑賞した。
 意見の相違などから長年、県人会から遠ざかっていた小瀬真澄・元会長、山田充伸・元会長らも当日は姿を見せ、県人会発展のために共に節目の日を祝った。

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