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ヴァリグ=東京―ロス間廃止も=独航空が臨時増便開始

11月6日(木)

 ヴァリグ航空が十一月からの日伯路線を欧州経由に変更したい旨を政府へ要請した。今のところ、ロサンジェルス経由となっているが、八月から米国経由便では通過ビザ申請が必要となり、かつては七六%を満たしていたドル箱路線の日本往復便の充席率が、九月に六六%へと低下したという。また、十月二十七日から、独国航空会社ルフトハンザが現在の日本路線に加え、週三回臨時便を予定しており、米国政策に振り回される航空業界の大変動が続いている。
 伯字紙報道によると、日伯路線を専門とする旅行会社では、すでにロンドン、パリ、フランクフルトなど、ビザ不要地の経由便を取り扱う航空会社に乗客が流出、ヴァリグなどヨーロッパ経由便を持たない会社は路線運営が困難になりつつあるという。
 経由地を変更する場合、相互乗り入れを旨とする「以遠権」の政府間交渉が必要。ヴァリグはすでにブラジル政府へ非公式要請をしている。欧州経由は若干高額になるが、同社は現在の米国経由とほとんど変わらない運賃を保ちたい意向。
 ヴァリグのオリエンタル・セールス・マネージャーの家入マルセル氏は「スイス、ドイツ経由など検討されているが、相手国の許可が必要なので、もう少し実現は時間がかかりそう」という。欧州経由便ができた時は、東京―ロス間廃止を検討中。「ただし、米国がブラジル人への通過ビザ要求をやめるなどすれば、状況はかわってくる」とも。
 一方、ルフトハンザは十二月九日以降、フランクフルト経由臨時便を週三日増やす予定。現在も連日運航の東京行き、大阪行きの二便、名古屋行き定期便があり、エコノミークラス運賃は約二千米ドルという。増便後も多くのビジネスマンを受け入れるため、ボーイング747―400の運航も申請する。ルフトハンザは昨年比六六%増の乗客を期待している。
 ただし、ヴァリグでは三十二キロの荷物二つまで持ち込みが許されるが、ルフトハンザでは二十キロ一つまで。大荷物の移動を伴うことが多いデカセギを対象にした場合、その点にどのような対応がとられるのかが注目される。
 また、アリタリア航空(伊)では同様に二十キロ一つ、ブリティッシュ航空(英)では三十二キロ二つ、フランス航空では三十キロ二つなど各社で対応にばらつきが見られる。

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