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患者の娘が医師に謝罪求める=サンタクルス病院で誤診?=足小指の賠償で35万レとも=病院側「適切な対応だった」

ニッケイ新聞 2013年9月12日

 聖市在住の高橋ロザナさん(36、三世)によれば、右足の腫れと痛みを訴えて昨年7月にサンタクルス病院(石川レナと理事長)で受診した父の幸男さん(67、二世)は的確な診断をされなかったのが原因で、手遅れとなって壊疽を起こして右足の小指を切断せざるをえなくなったとし、8月16日午後、本紙を訪れて「医療ミスだったはず」と明言した。「裁判沙汰にするつもりはないが、新聞で発表して自分たちの経験したことを知ってもらいたい」と語った。

 昨年7月、幸男さんの右足の薬指と小指の間の付け根に傷ができ、赤く腫れて痛みを感じ、同病院の救急外来の整形外科を受診した。「日本病院だから行った。他とは違う親身な治療が受けられると思ったの」。プラザッキ会員でも、普段から通っていたわけでもなかった。
 対応した整形外科医は「セルライト」(脂肪細胞の変性した状態)と診断し、幸男さんは総合診療科へと回された。そこで応対した心臓外科医は「丹毒」(細菌による皮膚の化膿性炎症)と診断した。「心臓外科医の態度が最悪だった。検査どころか父の体に触れることもなかったわ」と憤る。薬の処方と注射1本で終わり、次の診察も指示されなかった。
 その後、症状は悪化し部分的に皮膚が膨らみ、膿が出て黒ずんできた。別のクリニックを受診し「すぐに病院へ」と言われ、サンパウロ大学病院に行くと研修医は症状を見て糖尿病を疑った。血糖値の検査で高い値が出たのでその日のうちに入院、心臓外科医は「糖尿病による足の壊疽」と診断して右足小指の切断を薦め、迅速に手術が行われた。
 幸男さんは退院し、順調に回復した。糖尿病を患いながらも健康な状態を保ち、現在は高血圧もなく元気に仕事を続けているという。
 サンタクルス病院の診断に疑問をもったロザナさんは、昨年10月に北原アメリコ医長と話し合いを持った。そこで損害賠償の支払いを提示され、ロザナさんは「確かに彼(北原医長)はその時、適切な医療扶助が行われなかったと認めた」という。ロザナさんが後日提示した金額は「35万レ」だった。
 すると病院側は一転して「医療ミスはなかった」と主張し始めたので、ロザナさんはCremesp(聖州医療審議会)に事情を訴えたが「病院に落ち度はない」という判断だった。
 ロザナさんは今年7月に同病院の副理事長とも交渉したが「医師にも病院にも落ち度はない。医療ミスではない」という結論だった。35万レを求めたはずのロザナさんだが、「損害賠償を請求するつもりはない。すごくみっともないこと。だってお金の問題じゃないんだから。私がほしいのは納得できる説明と、もし医療ミスだった場合の謝罪」とも強調した。
 一方、8月19日に病院側から届いた本件に関する回答メールには「2012年7月5日午後9時、救急診療部で高橋幸男さんを診察した。幸男さんは医師の診察を受け、適切な薬を処方され、良い状態で退院した(中略)サンタクルス病院は75年にわたり、コムニダーデと一般社会に最良の医療サービスを提供してきた。これからもそれを続ける所存です」とあり、適切な対応だったとしている。

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