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両陛下がご覧になった=デカセギ子弟が披露=浜松音楽祭でブラジルダンス=ブラジル人学校生徒ら2カ月特訓

11月7日(金)

  [既報関連]〝がんばる〟が好き――をスローガンに掲げ、第五十八回国民体育大会「NEW! わかふじ国体秋季大会」が先月二十五日から同三十日まで、静岡県袋井市愛野のエコパスタジアムを主会場に開かれた。初日、同スタジアムの開会式に出席された両陛下は、その後、浜松市のアクトシティ浜松ホールであった音楽フェスタに来場され、デカセギ子弟たちが繰り広げるブラジル南部の踊りやフレーヴォ、ガフィエイラ、シャシャードなどを鑑賞された。一日付、インターナショナル・プレス・オンラインが報じている。

 ブラジル学校三校の子どもたちを主役に行われたフェスタは、両陛下の強いご希望で実現された。各学校はそれぞれ五分間の短い発表時間にも関わらず、本番に向けて、二ヵ月前から振り付け練習を開始。また、浜松ブラジル学校はシャシャードのための山賊帽を母国から取り寄せ、エスコーラ・アレグリア・デ・サベールの子どもたちは、インドネシアのバリ島で衣装を仕立てるなど工夫を凝らした。
 二十五日、フェスタはコレージオ・ピターゴラスの、ブラジル南部地方の踊りなどで開幕。続いて、浜松ブラジル学校がシャシャード、ペルナンブコの踊り、フレーヴォが繰り広げられた。最後はエスコーラ・アレグリア・デ・サベールによるマンゲイラ風のカーニバル・ショーがあり、同校の生徒、ユリ・スギオ・ノゲイラさん(一五)がポルタ・バンデイラとして卓越した芸を披露して幕を閉じた。
 この日、皇后陛下はブラジルの花、イッペーを思い出させる黄色のスーツとクラシック帽を装われ、天皇陛下に寄り添いながら入場された。両陛下は貴賓席に着かれ、後席に座った北脇保之浜松市長の内容説明に耳を傾けながら、子どもたちのショーを楽しんでいた。
 フェスタ終了後、子どもたちを代表してラリッサ・カチジャ・アサノさん(一五)とジゼーレ・カナシロさん(一四)、ナヤラ・デ・リマ・ホシノさん(九)の三人が、両陛下と話す機会に恵まれた。何年生か、日本に住むのに何か問題があるかなど、約十五分間、和やかに言葉を交わした。
 教師のセーリア・フジタさん、アナ・マリア・リンジアルデさんは天皇陛下に出身地を尋ねられた。セーリアさんは「天皇陛下はブラジルで訪問された全ての都市の名前を教えてくださった」と非常に感動した様子。アナ・マリアさんも、「皇后陛下の優しい眼差しを感じた。ただの外交儀礼ではなく、お会いした時、皇后陛下を包み込む何かをみた」と語っていた。

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