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早めに新民法対策を=全日系団体が関係=来年1月までに=定款改正が必要

11月13日(木)

 来年一月上旬から実施される新民法に対応する定款作りをしてもらおうと、ブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)はこのほど、県人会など日系団体を対象に講演会を行った。民法を専門にする林アンドレー亮・愛知県人会長を講師に招いて、新民法施行に伴う問題点や対策などを説明した。県人会だけでなく、コロニアの全団体に共通する問題だけに、林会長は「猶予期間の来年一月まであとわずか。早めの対策を」と呼びかける。

 二〇〇二年一月十日に成立した新民法は、今年一月十日に施行され、一年間の猶予期間を持つ。県人会など一世主体の団体にはポルトガル語による法解釈の問題が生じることから、県連が企画した。
 林会長は、特に日系各団体で問題となると予想されるいくつかの項目について説明した。第五十九条「総会の権限」については「役員などの運営者は、会員による直接選挙で決める必要がある。文協のように評議員会による間接選挙は新民法では認められない」と注意を促した。
 また、第五十四条「協会の定款」は、運営のための資金源を明示することを義務化。これが欠ける場合には定款が無効となることから林会長は「会費や寄付など資金源を明らかにし、営利目的でないことをはっきりさせる必要がある」と指摘する。
 さらに林会長は「来年一月に新民法が実施される前に、定款を変えておく必要性がある」と問題提起。というのも新民法実施後には、定款の変更が面倒になるからだ。
 第五十九条「総会の権限」は、定款の変更についても言及。会員の半数以上の出席に加え、その三分の二の賛成票が、定款改正に必要とされる。「四千人の組織ならば、千三百三十三人が集まる必要がある。大変な作業になります」と林会長。
 また、「県人であれば会員」「県人子弟も会員」などと会員の定義があいまいで、実際の会員数も把握できていない県人会も多いことから、現民法下での定款改正を勧める。
 林会長は「それぞれの団体がお抱えの弁護士に相談して、早急に対策を練る必要がある」とアピール。自らが愛知県人会の定款改正を担当することから、必要とする団体があれば自らが作成した定款を「たたき台」にしてもらうことも可能だ、としている。

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