ホーム | 日系社会ニュース | デカセギに広まるエイズ=2千2百人がHIV感染

デカセギに広まるエイズ=2千2百人がHIV感染

11月21日(金)

 日本の厚生労働省の公式発表によると、日本在住のブラジル人のうち、少なくとも二千二百人がHIVに感染しているとされている。同省は、ラテン諸国出身者から毎年、二十人の感染者を確認している。十五日付、インターナショナル・プレス・オンラインが報じている。
 HIV・エイズ援助情報センター(NPO)、クリアチーヴォスの活動家、エリーザ・イワキさんは、「明確な論拠を得るのは難しい。でも、多くの人がウイルスを保有していることを知っている」と嘆く。各感染者に病気を自覚してもらっても、大概は感染者であることを認めないらしい。
 同団体が実施した調査によると、感染経路や形態を知っているにも関わらず、ブラジル人の多くがコンドームなど予防策を実施しないという。「若者や独身者の間では約六〇%がコンドームを使用しているが、この数値はまだまだ低い」とエリーザさんは訴える。
 唯一、前向きな事項は、「三年前、ブラジル人コミュニティーでのエイズ検査の認知度は三〇%ほど。いまでは七〇%に達している」とエリーザさん。さらに、いくつかのブラジル学校では、生徒に対しエイズ予防講習を行ない、その危険性を呼び掛けている。
 「ただ、ブラジル人の間でエイズに対する偏見はまだなくなっていない」とエリーザさん。クリアチーヴォスは昨年末から、エイズ予防ポスターやチラシを制作、ポルトガル語の説明書付きの、やや大きめのコンドームをブラジル人に配布したが、効果は得られなかったようだ。
 同団体の聞き取り調査によると、半数がブラジル製コンドームの存在を知っていたが、一四%しか購入にいたらなかった。伯系商店主の間では、同団体の活動について五四%が耳にしたことがあったが、コンドームを店に置いていたのは、たった三〇%という。

image_print