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文協=新NPO団体結成を決議=デカセギ子弟教育問題解決へ

11月22日(土)

 文協のデカセギ特別委員会(吉岡黎明コーディネーター)は十二日午後五時から会合を持ち、デカセギ子弟の教育問題解決に特化したNPO団体創設を決議した。
 この団体は文協を母体に話し合われ、将来的には独立したNPOとして発足する予定。日本側での全国レベルのNPO発足と連動し、ブラジル国内での支援活動を展開する。「教材を日本へ送ったり、教師を派遣するなど、いろいろな活動ができるはず」と吉岡氏は説明する。
 渡部和夫・同特別委員会委員は「昨年八月のデカセギ問題シンポジウムでは様々な問題が話し合われたが、文協としては最重要問題をデカセギ子弟の教育問題に絞り、対応していく方針」と語った。
 渡部氏の報告によれば、すでに日本側では、元進出企業役員を中心とする協力者が多数名乗りをあげており、その動きに連動した形で発足へ向けて活動する。「まずは〃寺子屋〃的な塾を日本に幾つか作り、そこでノウハウを学び、最終的には日本全国に普及したい。それにより、デカセギ子弟の文盲を少しでも減らせれば」と言う。
 日本のブラジル学校事情に詳しい山中イジドロ氏は、「将来的にデカセギ子弟が手に職をもって労働市場に入っていくためには、職業技術専門学校の創立が必要」と訴えた。また、タダイマ・プロジェクトのレナート・シゲル氏は「子弟の教育問題解決は、親への教育なくしてはありえない。NPO団体を通して、その点を強くアピールすべき」との意見も出た。
 最後に、新団体の定款や発足日については、十二月十日午後五時から文協内で行われる次回会合で決めることが確認された。「協力してくれる方は、ぜひ会合へ参加してください」と吉岡氏は呼びかけている。

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