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日系人らにも選挙の季節=在外ブラジル人代表選出へ=日本からも立候補予定

ニッケイ新聞 2010年6月5日付け

 【共同】祖国を離れて暮らすブラジル人約300万人を代表し、本国政府に要望などを伝える「在外ブラジル人代表者会議」(CRBE)のメンバーを選ぶ初の選挙が、7月までに世界各地で実施される。日本に住む日系人らも立候補を準備、公開討論会を開くなど激しい前哨戦が始まった。7月に予定されている参院選への投票権はないが、日系人らにも選挙の季節が到来している。

 在日ブラジル大使館によると、選挙は同国外務省が実施。世界を北米、中南米、欧州、アジア・アフリカ・オセアニア・中東―の4ブロックに分け、各地の居住者がブロック代表、補充代表各4人をインターネット投票で選出する。
 アジアから中東ブロックの約38万人のうち7割以上を日本居住者が占め、日本から代表が選ばれる可能性が高い。現在、名古屋市のブラジル人学校経営者や東京都の大学准教授、静岡県富士市の派遣会社社長、浜松市のフリージャーナリストらが立候補を予定している。
 名古屋市で5月16日に開かれた公開討論会。約300人の聴衆が集まり、熱のこもった議論を展開した。ブラジル人学校経営者は「不況で解雇される日系人も多い。精神的なケアも必要だ。こうした問題解決を本国政府に求めるだけではなく、自ら行動できるような社会意識を育てていきたい」と力説。派遣会社社長も「デカセギで来日して20年になる経験を生かし、日本とブラジルをつなげるパイプ役になりたい」と語った。
 大使館のパトリシア・コルテス書記官は「選挙や討論会を通じ、各地のブラジル人コミュニティーが抱える問題を皆で考え、連帯を強める重要なプロセスになる」と指摘している。

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