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シャープ、5年ぶり登場=高度技術の輸入品販売へ

11月25日(火)

 今年六月、ブラジルでの再発売に乗り出した日本の家電メーカー、シャープ。一九九八年、ブラジル市場から姿を消し、五年ぶりに登場したシャープは、液晶テレビを中心に日本の高度技術を駆使した直輸入品。同製品の輸入業務を取り扱うプラズマ・パワー・テクノロジー社取締役、ネウソン・ヤマカミ氏にブラジルでの販売戦略、今後の展望などについて、話を聞いた。
 シャープは一二年創業、本社を大阪に置き、現在は液晶最大手級、太陽光発電パネル世界首位、家電、情報機器、デバイスのバランス経営指向で知られる。日本市場での時価総額ランキングはソニー・三兆五千五百七十四億三千八百万円、松下・三兆四千三百十八億千八百万に次いで、家電業界第三位の一兆七千九百三十七億八千万円(十八日付、ヤフー・ファイナンスより)。
 ブラジルには七二年、マナウスに進出、音響機器、視聴覚機器を生産してきたが、業績不振のため九八年に撤退。今回、五年振りの再挑戦はブラジル製品ではなく、液晶テレビ「アクオス」シリーズ、デジタル音響・視聴覚機器など日本から直輸入の製品で勝負。ヤマカミ氏は、「以前のブラジル製品のイメージは『大衆的』だったが、今回はAクラスのものばかり。本当のシャープのイメージをブラジルの顧客に知ってもらいたい」と熱く語る。
 未来的なデザインの液晶テレビ(一三~三七インチ)の小売価格は七千レアル以上と、高額な商品が多いのも特徴。「ブラジル経済ピラミッドの最高峰を占めているのは、ほんの三%の高額所得者たち。しかし、その三%がこの国の五〇%の経済を握っている」。顧客には、Aクラスの製品を購入可能な上流層にねらいを定めている。広告部門への投資は最初の半年間で千二百万レアル。経済雑誌や電化製品専門雑誌などに次から次へと広告を登場させるなど、販売戦略にも余念がない。
 ヤマガミ氏は、「ブラジルでは年間五百万台のテレビが売れている。現在、先進国では液晶テレビが主流。この先十年、ディスプレイ市場は液晶画面がますます伸びるだろう」と展望。現に、アメリカでは昨年、液晶テレビの八三%のシェアを独占した。ブラジルでは来年、液晶テレビ販売目標額に月間二千万レアルを掲げている。
 主流の液晶テレビのほかにも除菌エアコン、超音波で汚れを落とすほか、イオン消臭機能のついた洗濯機、洗剤を使わない食器洗浄機、充電式で電気コードがなく、持ち運び可能な節電液晶テレビ(一五インチ)、太陽光発電パネルなど、環境にやさしい製品も発売する。「ここ二十年間で地球の気温が〇・二度上がっている。シャープでは全ての商品に環境保護の配慮がされている」とヤマガミ氏はいう。
 ただ単に美しく、未来的なデザインであるだけではなく、世界規模で認められているシャープ。ブラジルでの再発売は、ヤマガミ氏ら関係者のほか、世界中から注目と期待を集めている。
 シャープ製品に関する問い合わせは、プラズマ社(電話・11・3286・0381)まで。

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