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「老年医学」に貢献=保健省から=森口博士表彰される

11月28日(金)

 リオ・グランデ・ド・スル・カトリック大学老年医学研究所長で同大学院教授の森口幸雄医学博士(七七)が十九日、老年医学に貢献したとして保健省(ウンベルト・コスタ相)から表彰を受けた。
 森口博士は一九二六年、東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒、ミラノ大学留学。日本老年医学会評議員、ローマ教皇パウロ六世医学顧問、WHO循環器予防国際共同研究センター主任研究員などに尽力。四十五歳の時、JICAの支援でRSカトリック大学に老年医学研究所が設置され、同大学から初代所長に招へいされた。名誉職としてブラジル老年医学会功労会員なども併任している。著書にニッケイ新聞社発行「すこやか長寿の秘訣」など。
 森口博士はこれまでに日本の外務大臣表彰、厚生大臣表彰、読売新聞医療功労賞、勲三等瑞宝章受勲、ブラジルではリオ・グランデ・ド・スル名誉州民賞、ポルト・アレグレ市名誉市民賞など、数々の表彰を受けてきた。今回はブラジル政府が老人保護法を制定したことで、森口博士の研究が脚光を浴び、広く認められた。
 森口博士が教鞭をとるRSカトリック大学老年医学研究所は今年三十周年。大学院からは、これまでに八百九十人の修了生が巣立ち、現在は世界各国とブラジル全州から九十人が医学研究に取り組んでいる。
 森口博士は保健大臣表彰を受けて、「ラテンアメリカの老人の健康のために、大学院を通じて医者たちを教育することが日本から来た使命」と意気込みも新た。高齢者に対し、「病気で長寿ではなく、健康で長寿であることが大切」と助言した。

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