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パラナー州政150年=マリンガで開拓者表彰=写真店経営植田憲司さんが日系代表

11月29日(土)

 パラナー州政府は二十七日、州政百五十周年を記念してマリンガー市の開拓に貢献した三百人を表彰した。同市内のカリウ・アダッジ劇場を会場に、ロベルト・ロキィオン州知事がピオネイロ(開拓者)にメダルを手渡し、長年の貢献をねぎらった。同市で五十二年に渡って写真店と営み町の様子を取り続けて来た植田憲司さん(七六)は、日系人を代表してメダルを受けた。
 一九四七年に市制に移行したマリンガー市では、三百人を超える開拓者らが町づくりに汗を流した。このうち開拓者として記録が残っている三百人が、今回の対象となった。植田さんのほか、鈴木六郎さんら日系人も表彰されている。
 家族や関係者約千人が集まった会場では、三百人の開拓者を代表して五十人が壇上に上がり、ロベルト知事からメダルを受け取った。同市初の弁護士や歯科医といった同市の礎作りに貢献した五十人の中に、植田さんは日系人としてはただ一人加わった。
 植田さんは最初の写真店を開き、写真家としても活動したことが評価された。
 元同市議で、弁護士としても活躍したアンテノール・サンシェスさんが開拓者を代表して祝辞を述べた。
 また、開拓当初の町の様子や人々の働きぶりを撮影した貴重な十六ミリフィルムも上映。参加者らは懐かしげに見入っていた。
 九九年には勲五等を受章している植田さんは、二〇〇〇年にはマリンガー市の名誉市民章も得ている。今回の表彰について植田さんは「私たちの世代が一生懸命開拓した町を、若い世代が受け継いでくれたお陰で今がある。感無量です」と声を弾ませた。

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