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渡辺次雄館長が死去=アルモニア学生寮運営に献身

12月17日(水)

 今年創立五十周年を迎えたアルモニア学生寮で長年館長を務めた渡辺次雄さん(六六)が十二日午後七時四十五分、療養中のサンタクルース病院で死去した。
 新潟県出身の渡辺さんは一九六〇年、南米産業開発青年隊として来伯。当初はノロエステ線アラサトゥーバ市郊外で農業に従事した。日本語放送や日本語教師としても活動していた渡辺さんは、六七年ごろから本格的に教師の道に進み始め、同市で約十八年にわたり日本語教育に従事する。「先生になるなんて夢にも思わなかった」と振り返った渡辺さんだが、その熱血ぶりは各地に知れ渡った。
 八二年には故・和田周一郎氏の誘いもありアルモニア学生寮の第三代目の館長に就任。ブラジル日本商工会議所の加盟社に対し、学生のための基金創設の協力を呼び掛けるなど同学生寮の健全な運営に尽力した。
 今年九月に行われた同学生寮五十周年記念式典で、渡辺さん夫妻は長年にわたる献身が評価され、感謝状を手渡された。渡辺さんは「教育のプロでないから、ここまでやって来られた」と試行錯誤だった道のりを振り返った。
 自らの第二期生で同学生寮のOBに当たる渡部和夫さんは約一カ月前に渡辺さんと顔を合わせたばかりだけに、突然の訃報に驚きを隠さない。「少し疲れた様子だったが、まさか亡くなるなんて。時代の波をうまく読んで運営に当たった先生の貢献は大きい。まだまだ活躍して欲しかった」と六十六歳の早過ぎる死を惜しんだ。
 十八日午後八時から、ジャルジン・ダ・サウーデ区の東本願寺で初七日の法要が予定されている。

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