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ブラジルの新年展望=「新大航海時代」の到来=海外市場目指し出航を

新年号

04年1月1日(木)

 【産業開発省広報誌】フルラン産業開発相は〃二〇〇四年の展望〃と題する講演で、ブラジルのアグリビジネスは、二〇〇四年度の〃希望の星〃だと述べた。同相は農産物輸出の台頭で、二〇〇六年にはブラジルの輸出が一千億ドルの大台に達するというのだ。
 同相が二〇〇三年度の輸出目標を前年の一〇%増としたとき、全員は半信半疑だった。実際には、二〇%増の成績を挙げた。同相によれば、農産物の輸出業者が有望な海外市場を発見したという。二〇〇四年は発見した新大陸を探検する海外市場の「探検元年」となる。輸出市場の開拓は、半永久的なもので生半可なものではない。
 ブラジルの経済成長は、輸出の可否にかかっている。国民所得は近年、続落した。海外市場は、ブラジル経済の生命線となった。雇用創出のために輸出の一〇%増を、堅持しなければならない。ブラジルは有能な人材に恵まれ、国際市場で競うに臆することはないと太鼓判を押す。
 一流企業が存在しない先進国はない。先進国の仲間入りがブラジルの夢ならば、一流企業をブラジルに育てること。ブラジルは政府関係者も企業家も、海外市場に対し積極的かつ果敢であれ。同相は独創性と能率性を、輸出に挑戦する人たちに求めた。
 ブラジルはイメージ・チェンジをする必要がある。ブラジルはサンバとサッカーだけの国と、思っている外国人が少なくない。ソフト・ウエアや光ファイバーのような数々のハイテク製品がある。ビキニやトップレスのような魅惑的な商品、流行もある。ブラジル人は、次々に新製品や流行を生み出す才能がある。
 ブラジルには、世界一優れた選挙の開票システムがある。官民連合の組織を立ち上げIT開票システムを輸出してはどうか。二年毎の選挙で試験と改良を重ね、最高レベルの技術を有している。現政権は外遊好きといわれ、未だかつて先輩が足跡を残したことのない海や山をも踏破している。
 勝手が知れた従来の市場ばかりでなく、アフリカやアラブ諸国、インド、東南アジア、南アフリカなど未知の市場へも挑戦している。官民が心を一つにして挑戦するならば、一兆ドルの国内総生産(GDP)を三兆ドルに引き上げることも可能だと、フルラン産業開発相は訴えた。

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