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自転車で62カ国走破=中西大輔さんサンパウロ市入り=有名人に会うのが趣味=世界30カ国で新聞記事に

1月17日(土)

 一九九八年七月にアラスカをスタートし、現在までに五大陸・六十二カ国を自転車で走破。「あと三年はペダルをこぎ続けるつもり。目標は百二十カ国以上」と、単独での世界一周自転車旅行に挑戦している中西大輔さん(三三)が、このたびサンパウロ入りした。野営道具など四十キロ以上にもなる荷物をマウンテンバイクにぶらさげる姿が印象的だ。五年を数える路上放浪。やはり苦労は絶えない? 「いいことも多いですよ。著名人が気軽に会ってくれたり」。タンザニアではマラソンのイカンガ―選手、ニュージーランドではエベレスト初登頂のヒラリー卿、ペルーではフジモリ大統領(当時)の姉ファナさんと言葉を交わす機会を得た。「友達の輪が広がり、夢はどんどん膨らんでいる」と中西さん。この先向かうキューバでは、「カストロ大統領にぜひ会いたい!」。

 兵庫県川西市の出身。大阪・追手門学院大学で経済を学んだ。在学中、すでに世界二十カ国を走り自転車旅行の魅力にはまった。各地に知り合いも出来た。
 熊本県の大手住宅会社に就職。六年間、セールスマンとして働く一方、「いつの日か、もっとたくさんの土地を回れたら」との思いが頭から離れずにいた。
 五百万円で三年半。貯金を元手に再び、世界の道に出ようと決意。その予定が五年、八年と延びていまがある。野宿が基本だが、ときには警察所に泊めてもらったり。南アフリカでは刑務所で一夜を過ごした。「一応規則だからといって、鍵もかけられた。食事も囚人の作るものを頂きました」。
 アルゼンチンからブラジルに入って三カ月になる。消防署で一宿一飯の恩義に預かることが多いという。「警官に比べて消防隊員にはスポーツ好きが結構いまして。自転車愛好者も目立ちます」と話す。
 日本アドベンチャー・サイクリスト・クラブ(JACC)に所属。会員三百人のうち、常時五、六人が世界一周の途にあるそう。そんな中西さんら自転車旅行者が頼りとするのは各国にいる愛好者のネットワーク。行く先々で訪ねる。
 「親戚まで紹介してくれたりして。泊まる場所は結構確保できます」
 遠く離れた東洋の国から自転車で来た旅人の姿はどこにいっても注目の的だ。これまで世界三十カ国以上の新聞に取り上げられた。
 「さまざまな言語でかかれているので、旅先で自己紹介するのに役立っている」。ブラジルではパラナ州のガゼッタ・ド・ポーヴォ紙、リオ・グランデ・ド・スル州のゼロ・オーラ紙からも取材を受けた。ウルグアイのアウトドア雑誌は中西さんが旅行中に撮影した写真を十点以上掲載、五ページの特集を組んだ。
 風雨にたたられての孤独な自転車旅行。でも、普通は会えないような有名人と接触できるなどの利点もある。「お前なら会えるかも。連絡してみろ」と、VIPの連絡先を教えてもらうことがたびたびある。
 面会を試みた人物は、南アフリカのマンデラ前大統領、ペルーのフジモリ大統領(当時)、サッカーのペレなどそうそうたる面々。相手の日程の都合などでうまくいかないケースも多いが、官邸まで招いてくれたりする。
 「フジモリ大統領のお姉さんとは、熊本県の話題でした。ブラジルでは、やはり日系人の(大統領府広報局長官の)具志堅ルイス氏に会えませんかね」
 同じツーリング愛好者ではアクレに住むジルベルト・ファリアスさんを訪ねたいそうだ。
 「四十二年にわたって世界を自転車で旅続けているドイツ人ハインツ・シュトゥッケ氏にはこの旅の途中に三回会えました。ジルベルトさんも愛好者の間では有名なんです。世界を自転車で巡り二十九カ国に自分の子供がいることで」
 現在、中西さんは愛好者仲間の日系三世、石田エジソンさん宅に滞在。「日本に帰ったら本を出したい。旅のスポンサーを捜しています」と支援を呼びかける。連絡先は石田さん(電話11・3731・2399)。

 

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