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新年多忙=身元確認や家出、迷子=「日系人を保護してほしい」=援協福祉部に依頼相次ぐ=相談員が足りない

1月27日(火)

 援協福祉部では今年に入って、日系人を保護してほしいという依頼が相次いで舞い込んできており、新年早々から仕事に追われている。相談員四人(一人が自由契約)のうち二人が休暇中で、職場は息をつく暇もないようだ。
 今月中旬の午後四時ごろ。八巻和枝部長からの電話が鳴った。「ミランドポリス(SP)の弓場農場で、六十歳前後とみられる日本人男性が保護されています」。
 早口で厳しい口調だ。身元が分からないから、「尋ね人」として記事を掲載してほしいのだという。
 この男性は昨年のクリスマス頃、樹木の下で、毛布にくるまって寝ていたところを発見された。所持品がほとんどなく、関係者が食事や衣服を与えているうちに、農場に住み付くようになった。
 日本語が堪能。出身地や住所などを聞いたところ、男性はヤマモト・ヤスオと名乗り「昔、サンパウロのこけし食堂(現えびす食堂)で働いていた。元気になったら出て行く」とだけ返答した。
 積極的に掃除を手伝うなど品行方正に振る舞い、問題になるような行動は起こしていない。ただ、身元が不明なうえ、滞在予定期間も明かしていないので、現地では男性の扱いに困惑しているようだ。
 福祉部でも対応に苦慮している間に、別のカウンセリングが入ってきた。男性が援協診療所で診察を受けたところ、精密検査が必要と診断を受けたので、友好病院を紹介した。しかし、医療保険に加入しておらず、医療費が支払えないという。
 結局、診療所近くの市立病院に連れていくことにしたが検査を待たずに死亡。死因がはっきりしないので、遺体は司法解剖に回された。
 身分証明書から、この男性は鹿島田康理(かしまだやすのり)さん(七三、東京都出身)だと分かった。神戸大学を卒業、六二年に移住した。結婚したがその後離婚、サンパウロ市郊外のリオ・グランデ市で一人暮らしだった。
 八巻部長が自宅を訪れ隣人に話しを聞いたが、近所付き合いは無かったという。オートバイ、テレビなど多くの遺品があり、放置すれば盗難に遭ってしまうのではないかと援協は懸念。親類や知人を探している。
 このほか、家出をしたり迷子になった高齢者の保護が続いている。

 

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