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治安の根幹交番を学ぶ=JICA主催受入れ=4州から警官10人訪日=サンパウロ州ですでに実績=ジュンジアイ、犯罪半減

2月21日(土)

 世界一安全な国といわれる日本の治安を根幹で支える交番、警官の駐在制度。これを実際の現場で学ぼうと来月、ブラジル四州から十人の警官が訪日することが決まった。サンパウロ総領事館の大熊博文領事(警備担当)によると、研修は国際協力機構(JICA)の主催で平成十二年度より毎年実施している。今年始めてサンパウロ州外の警官も派遣される予定で、将来的にブラジル各地で交番の設置に期待がかかる。
 訪日研修する警官は、サンパウロ州から六人、パラー州二人、ペルナンブッコ、ブラジリア連邦区から各一人。例年はサンパウロ州からのみの派遣だった。
 今年枠が広がった理由について、大熊領事は「それだけ(サンパウロで)成果が現われているということ。地域の公共安全に日本の交番システムが役立っている」と話す。
 サンパウロ州には昨年九月の時点で、サンパウロ市に二十三、大サンパウロ圏内に四十七、サンパウロ州奥地に百十七の交番が設置されている(エスタード紙調べ)。
 「近郊のジュンジャイ市では交番が出来た後、犯罪が半減したと聞いている」と大熊領事。
 サンパウロ市で最も凶悪犯罪の多発するジャルジン・アンジェラ区でもその設置以降、治安が回復傾向にあることが明らかになっている、という。
 交番が広まり始めたのは一九九五年から。やはり日本に研修に行った軍事警察官が帰国後州政府に提案。採用され交番=バーゼ・コミュニタリアの第一号が誕生した経緯がある。
 今度の研修では他州の警官も含まれていることから、サンパウロ州の場合と同じように、交番が各地に設置され、地域の安全を担う要所として機能していくことも十分に見込まれている。
 警官十人は来月七日に日本に発つ予定。滞在中のスケジュールなどは明らかにされていない。同二日にはサンパウロ総領事館公邸で壮行会が開かれる。

 

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