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石井十次の足跡たどる=映画化、日系女性が主人公

2月21日(土)

 【中国新聞】明治時代、全国初の孤児院を岡山市に開設した石井十次(一八六五―一九一四年)の足跡をたどる映画「石井のおとうさん ありがとう」が三月にクランクインする。岡山県内でもロケがあり、完成後、八月以降に同市や笠岡市などで上映会が開かれる。
 石井十次は宮崎県出身。岡山甲種医学校を卒業後、一八八七年に「岡山孤児院」を開設した。東北地方の飢饉(ききん)で親を失った子どもたちも引き取り、延べ三千人以上を教育し、自立させた。
 映画は、岡山孤児院で育った祖父を持つ日系ブラジル人女性が主人公で、祖父の故郷を知るために来日し、十次の人となりや業績を知るというストーリー。 監督は、実写版「はだしのゲン」や「裸の大将放浪記」を手がけた山田火砂子さん。十次役は松平健さんで、ほかに辰己琢郎さんや竹下景子さんらも出演する。子役は県内の子どもたちを対象に募集。昨年十二月、岡山市で開いたオーディションで五十人を選んだ。四月には同市や倉敷、高梁市などで撮影がある。 県内で上映運動に取り組む「映画『石井十次の生涯』製作上映委員会」の叶原土筆代表は「児童虐待の多い今こそ、石井十次の『愛』を知ってほしい」と観賞を呼びかけている。

 

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