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コラム 樹海

  民主党は先の総選挙で大躍進し国会や各方面でも威勢がいい。共産党と社民党は惨敗だし、このまま進めば永田町が夢に描いてきた二大政党も近いと思われたが、近ごろの民主党はどうもおかしい。公設秘書の給料を本人には渡さずに詐欺罪もどきの容疑をもたれた民主党の佐藤観樹衆議は、国会にいられなくなり辞表を提出した▼佐藤氏はもともとが社民党籍の代議士で副委員長だったし細川内閣では自治相と国家公安委員長をも務めた大物政治家である。つまり、全国の警察を管理する立場にいた人である。それが―事もあろうに国から支給される年間六百万円余かの秘書給与を自分が受け取り、本人には渡さないで詐取したらしい。愛知県警は容疑が固まったとし佐藤氏と美代子夫人らを逮捕したが、まったくの話―救い難いお二人だ▼民主党には同じような事件を起こした山本譲司元衆議が東京で逮捕されたし、古賀某という福岡選出の衆議の学歴詐称もある。社民党には辻清美元衆議が、秘書給与を詐欺の罪に問われているし、国会議員たちの不祥事は絶えない。民主党の政府攻撃は華やかで勇ましいけれども、こうした悪辣議員らの行動にどう対処するつもりなのか。真に礼を失するけれども、民主党にはもはや与党を批判する能力をも失ってしまった▼「影の内閣」を造り次期政権を狙うのも結構ながら、先ずは身内からの不始末追放の方が肝心なような気がする。党内を身ぎれいにしてからの遠大な政策を掲げる―それが公党としての在り方なはずなのに―である。 (遯)

04/03/09

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