3月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】中央銀行通貨審議会(COPOM)は十七日、基本金利(SELIC)を〇・二五%引き下げ、年一六・二五%とすることに決定した。金融市場は据え置きと予測していたが、二〇〇四年に入って初めての引き下げとなった。市場の反応は、投資家の関心をつなげるためのシンボリックな引き下げとみている。中銀は目標インフレ率に対しリスクが、低下したためとしている。
一月は卸売価格の上昇で、基本金利を据え置きとした。二月はマイナス経済成長率の発表などで、市場は否定的な雰囲気に包まれていた。今回は金利引き下げの再開で、経済活性化へ向けた中銀のジェスチュアとみられている。
生産部門の反応は、よくない。国際水準からみるとまだ高金利で、産業の活性化にはほど遠い。銀行筋は生産部門に融資するよりも、高金利政策を利用して国債を購入し続けたほうが有利と思っている。企業への融資供与は少なく、設備投資も消費も伸びていない。生産のない経済が、しばらく続きそうだ。
基本金利からインフレ率を差し引いた実質金利では、まだ年利一〇・六%と世界最高の水準に止まっている。南米の国々の中でも、ブラジルの基本金利は際立って高率。世界四十カ国の実質金利は平均で一・九%、途上国の実質金利は平均で三・六%となっている。
サンパウロ州工連(FIESP)のピーヴァ会長は、中銀が金利の引き下げを再開したのは評価するが、死に体状態の国内市場を覚醒させるには不十分だとする声明を発表した。
政府の高金利政策は〃迷走飛行〃であって、メーカーに不要な原価高騰を余儀なくした。基本金利の引き下げが企業を助け労働者に雇用を促進するだけでないことを、中銀は解っていないと同会長は批判した。
伯銀とHSBC、ブラデスコの三行は十七日、基本金利の引き下げに呼応し月利〇・〇二%の金利引き下げを行った。ブラデスコの特別小切手は、月利八・一%から八・〇八%へ。個人与信は五・六一%から五・五九%へ下げた。