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日本語教師との連携呼びかけ=四日市から来た鈴木教諭=「日本の学校についても教えてあげてください」

3月20日(土)

  日本の学校についても教えてあげてください──。在日外国人児童のための日本語教室を担当している鈴木恵子四日市市立笹川東小学校教諭が、日本語教師に連携プレーの必要を呼びかけた。ブラジル日本語センター(谷広海理事長)主催の「来日外国人児童生徒の実践と課題」─日本語教師が日本就労者とその子弟に対してできること─が十四日午後、開かれた。教室の〃国際化〃が求められる日本の現状について、約七十人が耳を傾けた。  四日市市は、拠点校を指定。日本語習得の不十分な外国籍の子供を受け入れ、日常・学校生活の適応が容易になるようサポートしている。
 笹川東小学校は近くにデカセギの集住する団地が存在することから、中央小学校に続いて、三年前に拠点校になった。鈴木教諭は六年間、外国人児童の教育に携わっている。
 「外国からきてまず、軟着陸。それから、自立して自分の力で羽ばたいていってほしい」
 そんな願いを込めて、日本語教室は「つばさ教室」と命名されている。
 日本語の習熟度によって、教室を利用する時間は異なる。来日時期やレベルがまちまちで、遠藤オズワルドさんと鈴木教諭の二人が指導に追われている。今年度は五十人に膨らんだ。
 もちろん、市教育委員会にスタッフの増員を要請済みだ。「今が休み時間だからといって午前三時に、保護者から生活相談の電話をもらったこともあります」と職務の重責さを明かす。
 だいたい二年間で日常会話が理解できるようになる。「文字を知ってきた子供は伸びるのが早い」。
 学習言語の習得はかなり困難なため、通信簿をつけたらほとんどが最低の評価になってしまう。そこで到達内容もポルトガル語で記して保護者に渡す。
 「友人をつくるための日本語を知っていれば、学校生活に馴染むのが簡単です」とブラジル在住の日本語教師の役割を示す。
 「『一緒に遊びましょう』言えるだけでも、ずいぶん違います。日本の子供だって、声を掛けられればうれしいんですよ」
 日本人児童とトラブルが発生したら、通訳を入れて、徹底的に原因を究明するのだという。
 市から就学通知を受け取っても内容が理解出来ず、子供が入学させないケースもある。日本の学校制度について認識不足からくるようだ。「こちらで、事情が分かっていれば心構えが違うのでないでしょうか」と訴えかけた。
 文部科学省の調べ(平成一四年九月)では、日本語指導の必要な在日外国人児童生徒が全国に約一万八千七百人。愛知、静岡、三重の東海三県に集中する。三重県内には、四百五十七人がいる。

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