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2年の任務 夢で一杯=JICAシニア ボランティアが着任会見

6月8日(火)

 今年度から二年間、JICAシニア・ボランティアとしてブラジル各地で働くことが決まっている十一人が四日、来伯。うちサンパウロ管轄地域に赴任する七人がJICAサンパウロ支所(小松雹玄支所長)で記者会見し、抱負などを語った。
 サンパウロ管内での勤務となるのは以下の七人(敬称略、カッコ内は職種、勤務地)。
 山田浩(日語教師、マリリア・汎パウリスタ日伯文化協会連合会)、新原輝久(日語教師、クリチーバ日伯文化援護協会)、松原美佐子(日語教師、マリンガ地区日本語学校連合会)、諏訪敏明(日語教育組織運営、ブラジル日本語センター)、中田秀光(日語教師養成、ブラジル日本語センター)、森悦子(介護福祉、サンパウロ日伯援護協会)、岡部都代子(社会福祉、サンタ・クルース日伯慈善協会)。
 英語教諭の松原さんは三十年前、客船会社にアシスタント・パーサーとして働いていた際、移民船で二回来伯。「JICAの仕事がしたくて、日本語教師の資格を取った。二年間、一生懸命頑張りたい」。
 岡部さんは「高校生のとき見たテレビ番組での南米が、頭から離れない。いまだにその時に聞いた〝ボア・タルデ〟を記憶している。若いころからの願いが叶った」と笑顔を見せた。
 新原さんは「サラリーマン退職後、日本語教師免状を取った。三年間、日本で外国人に教えていた経験を生かしたい」と抱負。
 中田さんは「三年前にブラジルに下見にきた。異文化教育に興味がある。ポルトガル語を勉強して、日系出稼ぎ者の不登校児童のための役に立ちたい」。
 森さんは「スタッフへの技術指導では、日本の最新技術の紹介や導入なんかも検討している。しかしスタッフとの会話に不安がある。勉強します」。
 組織アドバイザーの諏訪さんは「減少傾向にある日本語教育をどうしてくい止めるか、経済的に日本語学校から、いかに利益を上げるかなど、問題は山積みしている。組織の改善に努めるつもり」と語った。
 休職して赴任したという山田さんは「海外勤務の願いが実現した。国語教諭として二十六年の経験を生かしていきたい」。
 会見の最後で、小松支所長が〃新人〃シニアたちを激励。「職場で役立つボランティアを心掛けて。余力が出て来たら、日本文化の紹介や日伯交流など『文化の出前』をしてほしい」などと注文をつけた。
 

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