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ユバ・チーム16年ぶり優勝、第59回全アリアンサ野球大会

6月12日(土)

 快晴に恵まれた去る五、六日の両日、五十九回目を迎えた全アリアンサ野球大会が、サンパウロ州ミランドポリス郡にある第一アリアンサ球場で行われた。六日には全勝同士の第三アリアンサとユバ(弓場農場)チームの対戦となり、ユバが9対7で勝って悲願の優勝を達成した。
 全アリアンサ野球大会が始まったのは一九四五年十月二十八日。当時の参加チームは第一、第二、第三アリアンサ、ノーヴァ・アリアンサ、フォルモーザ、およびオリエンテの六チームで、第二アリアンサ・チームが第一回大会の覇者となった。
 全アリアンサ野球大会の提唱者は、弓場農場の創設者として知られる弓場勇さん(兵庫県出身、七六年没)だ。時代の流れとともに、第一、第二、第三アリアンサ、ユバの四チームの大会構成となり、現在まで続いている。
 リーグ戦方式を採用し、勝ち点の多いチームが優勝となる。弓場勇の球魂精神を受けたユバ・チームが、七三年から八八年までの間に十二回の優勝を誇った。これがほかのアリアンサ三チームの〃打倒ユバ〃の闘魂に油を注ぐ結果となり、その後十五年間、三チームに優勝旗を奪回された。五十六回大会の優勝は第三アリアンサ、五十七回、八回は第一アリアンサが連覇、という結果だ。
 今年は第一アリアンサ(移住地)が創設八十周年を迎える。第一アリアンサ内にあるユバ・チームは、この記念の年に優勝奪回を目指して、十四歳の小林礼実から二十四歳の矢崎勇までの三世世代のヤングパワーを結集して特訓に励み、十六年ぶりに悲願を達成した。
 弓場常雄監督は「連敗記録のダメ監督だったので、今年も(優勝)できなければ辞任する気持ちで試合に臨んだ。勝ったので(監督を)続ける意欲が湧いてきた」と胸をなでおろせば、主将をつとめた十九歳の辻海(つじ うみ)くん(三世)は「キャプテンになった以上は優勝を狙った。来年は六十回大会なので、連覇を狙うよ」と若者らしい元気さだ。
 創設者・弓場勇の球魂が三世の若者にも伝承され、健全な精神鍛練が生きていることを暗示する十六年目の快挙のようだ。鐘と太鼓を鳴らす、という表現そのものの女性と子供たちの元気な応援が優勝の原動力となった。ますます元気な弓場農場だ。
 

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