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一心に作り続けること 加藤さん、俳句の肝要語る

6月24日(木)

  ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)と国際交流基金は、十五日午前十時から文協会議室で「加藤耕子先生講演並びに歓迎俳句大会」を行い、会場には約九十人の俳句愛好者が集まった。司会は小川彰夫文協理事。
 はじめに川合昭文協副会長と大野徹国際交流基金次席駐在員が挨拶した。
 俳句の本質は「つまりは花鳥諷詠。生命の流れを汲み上げ、お互いが生きていることを喜びあうこと」と語る加藤さんは、一時間十五分程の講演の中で俳句の原点、海外に広がった俳句、英語俳句などについて講演した。
 海外に広まった俳句は「瞬間性」など様々な言葉でその本質が表され、海外の人たちに定着してきた。アメリカ俳句協会では「物の形を通して、生きているという生命の意識を読むこと」を基本理念として俳句を伝えているのだという。欧米人やパキスタン人が英語で詠んだ俳句とその和訳も紹介された。加藤さんは「ただ一心に作り続けることが、文化の精神を伝えることになる」とも話した。
 メモを取りながら聞く参加者もおり、俳句界の著名人である加藤さんへの期待が窺われた。講演を終えた加藤さんは「皆さんが熱心に詠み続けておられる情熱がひしひしと伝わってきました。その結集として私がここに招かれたことを大変ありがたく思います。日本との交流が繰り返され、続けられることを願っています」と話した。
 参加者は「講演の半分はもともと知っていることだったが、奥の奥を聞かせていただいてありがたかった」と感想を述べた。
 午後からは歓迎句会が行なわれた。加藤さんは十句選三句特選、代表選者は富重かずま、栢野桂山。

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