ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 東北の田舎で暮らす知人から「今年は暑さがきつく大変です」の手紙が届いた。湿度も八五パーセントだそうだから蒸し暑さが酷いらしい。東京や大阪も炎暑だし四〇度を超したところもあそうだ。その一方―福井と新潟や福島は集中豪雨に襲われた被害が大きい。堤防の決壊や家屋浸水もあり崖崩れなどで十数人もの死者を出した▼しかも高齢者の犠牲者が多かったため政府や県庁も救助対策を考え直すという。日本の夏は湿気が多いせいもあってジメジメとした暑さで苦しい。サンパウロの夏のように空っとした暑さとはまったく違う。東京は三九度になったそうだが、こうなるともう酷暑であり動くのも億劫ではないか。それでも―イラクのサマワに派遣されている陸上自衛隊に比較すればまだまだいい▼あの砂の国は四〇度は毎日だし酷いときには五〇度にも達する。インドも暑いし気温が高くなると電線に止まる野鳥が炎死するらしい。いわば―熱中症だろう。日本での最高は山形の四〇・八度だが、七十一年前のこの記録はいまも破られていない。尤も、専門家らは、二〇三〇年頃には東京で四三度になると試算している▼暑さもだが、スコールのような大雨も正確な予想は難しい。そんな重苦しい雰囲気のなかで福井県に二億円の宝くじ当選券を匿名で寄付した人がいる。この貴重なお金を預かった西川一誠知事も熟考したのだろうが、大雨の被災者に二万円ずつ贈ることにしたそうだ。なんとも粋な計らいだし明るくいい話ではないか。   (遯)

04/07/29