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繊細、鋭敏、芯の強さ=―小野寺郁子さんの初めての本―=『ときおりの章』=随筆、短歌、小説など収録

8月4日(水)

  本紙ニッケイ歌壇選者の小野寺郁子さんがこのほど、『ときおりの章』を刊行した。随筆二十二編、短歌百七十八首、翻訳二編、小説三編が収められている。小野寺さんが本を出すのは初めてのこと。ニッケイ歌壇選者の清谷益次さんが編集した。
 清谷さんは同書を編集し、次のように述べている。
 「いずれのジャンルでも、繊細・鋭敏な観察と共に、芯の強さとつつましやかさの窺える情緒の波をみることができて楽しかった。長い短歌歴を持つのに載録数がやや少ない、ということは生じているが、作者の特質は十分に知ることができる。特に随筆では、作者の本領とも言うべき好編がいっぱいある」
 巻頭では松井太郎さんが、『価値ある〃結実〃』と題して「小野寺郁子(清水夕子)さんは多才の人である。謡、書道を好み、短歌、随筆、小説もよくせられる」と一文を寄せ、「この文集で小説が三編とはすこし寂しい気がする。随筆と小説は似たところはあるが…小野寺さんには後者が向いているようにも思われるのである」と小説家としての才能に触れている。小説は三編ともコロニア、ブラジルのよき時代を背景にした極めて感動的な作品で、『コロニア詩文学武本文学賞』受賞作だ。
 一九三〇年名古屋市生まれ。三九年チエテ移住地に入植。四七年アリアンサ移住地、六三年ミランドポリス市、七〇年サンパウロ市。歌誌『椰子樹』、文芸誌『ブラジル日系文学』会員。九四年清谷氏とパウリスタ新聞歌壇選者、九八年清谷氏とニッケイ歌壇選者。九九年『椰子樹』選者。
 同書は日系書店で販売される。

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