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心温まる義捐金を故郷へ=新潟、福井県人会で募る=集中豪雨被災の母県に=隣だからと長野が寄付

8月7日(土)

  母県を思うコロニアの心意気――。七月に日本各地を襲った集中豪雨で出た被害に対し、各県人会が復興の足しにして欲しいと義捐金を送る動きを見せている。十五人の死者を出した新潟と三人が死亡した福井に対し、それぞれの県人会が義捐金を送ることになっている。日本の貨幣価値からすれば、微々たる額だが傷ついた故郷を思う各県人の心意気は、復興に当たる母県を勇気付けるのは間違いない。

 七月十三日の梅雨前線がもたらした大雨で複数の河川が決壊し、死者十五人に加え、約二万七千軒が床上・床下浸水するなど未曾有の被害を出した新潟。同県人会では、一面水浸しになった新潟平野や、行方不明者の捜索作業などを生々しく映し出すNHKテレビを見た県人会関係者から、「すぐに義捐金を送ろう」との声が上がった。「気持ちだけでもお手伝いしたかった」と南雲良治会長は言う。
 すぐに千ドルを義捐金とすることが決まった。また、長野県人会からも「隣接する県だけに他人事ではない。ささやかだが足しにして欲しい」と千レアルを持った同県人会幹部が、事務所を訪れてくれた。荒井長野県人会副会長は「名誉会長や相談役と話し合って決めた。長野もかつて土砂災害を出したことがあり、母県を心配する気持ちが良く分かる」と語った。
 毎年、母県から送られる補助金が新潟の留守家族会に届いており、そこから義捐金を差し引く形にしたという。平山征夫知事からは数日前に受領証と感謝の手紙が届けられた。<心温まる義捐金を頂きありがとうございます>などと、二万キロの距離を越えて届けられた志に感謝の意を表している。
 一方、七月十七日から十八日にかけての豪雨で、福井市内の足羽川が決壊したり、鉄道の陸橋が流されたりした福井県。死者三人行方不明者二人と大きな被害が出た。
 県人会創立五十周年を機に、知られざる移民史を知ってもらおうと十八日に県が企画した「ブラジル移住五十周年記念シンポジウム」に出席のため、山下治会長が滞在中。自らの目で被害を目の当たりにした。
 帰国後、山下会長から現状を聞かされた会員から、日本祭りの出店ブースで義捐金を募っては、とのアイデアが出され、張り紙などで来場者に協力を呼びかけた。
 「懐かしい故郷の役に立てて」と八十歳を超える戦前移住者が、千レアルを持参するなど義捐金も集まり始めたことから、三十一日の役員会で正式に決定。三十万円を今月九日に、母県に向け出発する留学生に託す予定だ。また、新潟の災害同様、長野県人会からも五百レアルが寄せられた。
 「今月末まで義捐金を募り、八月の式典時に県関係者に手渡す。コロニアでも協力が得られれば」と山下会長。宛て先は福井県人会(11・3207・1056)となる。
 各県人会を統括するブラジル日本都道府県人会連合会でも十三日の代表者会議で、義捐金などを検討する予定だ。
 故郷を遠く離れても、今なお熱い思いを持ち続ける県人の心遣いが、被災地を勇気付ける。

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