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参院からODA調査班=日系施設の視察も兼ね=保坂三蔵代表に聞く

8月24日(火)

 日本が出すODA予算がきちんと使われているかを調査する、参議院ODA調査第三班が二十一日来聖、チエテ川改修工事や「憩の園」、現在建設中の松柏学園・大志万学院の新校舎などを視察した。来聖した参議院議員は団長で自民党の保坂三蔵筆頭副幹事長、後藤博子議員、松村龍二議員、小林美恵子議員、広野ただし議員、木庭健太郎議員の六人。団長の保坂副幹事長に聞いた。
 海外日系新聞放送協会にも協力している保坂副幹事長は「海外日系人の声を国会に少しでも届けたい」という。七月の参院選では在サンパウロ総領事館で初の在外公館投票が行なわれ、日本でも報道されて話題になった。
 「もう少し有権者が増えなくては。登録制度をもう少し簡単にできるように改善する必要がある」と保坂副幹事長。全力で有権者を増やしてもらうように領事らと話し、二十四日に大使と会談する際にも要請するつもりという。また「外務省にも申し上げたい」と積極性を見せる。
 十五年前にも訪れたことのある松柏・大志万については「日本が失った〃日本流の教育〃がブラジル人と一緒になされている」と話し、建設中の新校舎についても「あんなに大きな挑戦をするとは思わなかった。川村理事長はじめみなさんの情熱を感じる」と感心した様子。
 チエテ川改修工事については「遅れてはいるが、全体的に政府の支援のもとでうまくいっている」と語った。工事が完成すれば水害はほとんど無くなる。今後は日本のODA援助により水質浄化にも力を入れていくという。
 「ブラジルは単に資源が豊富なだけでなく、国民性もいい。ポテンシャルを秘めた国」。保坂副幹事長は、有力新興国BRICs(ブリックス)の一つに加えられるブラジルを「努力してもなかなか伸びない国とは違う」と評する。
 また、コロニアに向けて、ブラジルの中で奮闘している松柏・大志万や「憩の園」などを「日系社会の中でぜひ守っていってもらいたい」と期待を寄せる一方、九月に来伯する小泉純一郎首相にも「ぜひ見てもらいたい」と話した。
 一行は二十三日午後、首都ブラジリアへ出発。同地では農村の電化計画などを視察。二十五日に日本へ帰国する。

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