ホーム | 連載 | 2004年 | 和麺=日本起源のブラジル文化になるか | 和麺=日本起源のブラジル文化になるか(1)=うどん、蕎麦需要伸び悩む=ブラジル人に低い認知度

和麺=日本起源のブラジル文化になるか(1)=うどん、蕎麦需要伸び悩む=ブラジル人に低い認知度

9月21日(火)

  ブラジルでは「日本食熱」がいぜんとして衰えない。ただし、「うどん」「そば」(蕎麦)のブラジル人による認知度は低い。もし、この麺類が受け入れられれば、一層普及に拍車がかかると思われる。麺類不振には、つゆの持つ複雑な、甘みがある味にブラジル人がなじめない、食器に問題、原料が得にくい、などいくつか理由がある。それでも業者は、日本的な味をかえないで普及につとめたい、ブラジル風を追求する、となお根付かせることに意欲的だ。大勢(たいせい)をいえば「日本を起源とするブラジル料理は必ず創造される」。

 SUSHI、SASHIMI、TEMPURA――。ますます加速するブラジルの日本食ブームは衰えるところを知らない。
 YAKISOBAも今や日系人の枠を超えて祭りや屋台で売られている。しかし、その流れに逆らうように、同じ日本食であるうどん・蕎麦の需要は伸び悩む。
 うどん・蕎麦を好んで食べるのは一世や駐在員だ。一世の高齢化、駐在員の減少がうどん・蕎麦の需要に大きく影響している。
 とりわけ生麺の需要減少は著しい。生麺の美味しさは乾麺の比ではない。しかし、乾麺よりも生麺を好む〃通〃が姿を消しつつある。
 飛松実さん(毎日屋食品有限会社)は十五年前、リベルダーデで蕎麦を打っていた日本人から打ち方を教わり、現在も生蕎麦と生ラーメンを打ってリベルダーデの和食店に配達している。
 「蕎麦はデリケートな食べもの。作ってすぐが一番おいしい」と繰り返す。生麺は作り置きができないため、前日の夜から寝かせておいた生地を午前中に切って配達している。
 保存が効かず、需要も少ない生麺がブラジル社会で生き残っていくのは難しい。輸入自由化により日本製の乾麺や冷凍麺が、より安価に手軽に手に入るようになったことがさらに追い打ちをかけている。
 「ブラジル人の間に広まっている〃日本食〃は非常に限られており、寿司、刺身、天ぷら、鉄板焼きがほとんど。麺類をすすんで食べるまでには至らない。しっかり食べたいブラジル人には軽食感覚のうどんや蕎麦は定着しないのでは」。
 なぜ、非日系ブラジル人はうどん・蕎麦を食べたがらないのか。どうすればうどん・蕎麦はもっとひろまっていくのか。
◆知名度
 第一にいえるのは、うどん・蕎麦がほとんど知られていないという事実だ。飛松さんが指摘するように、寿司、刺身、天ぷら、鉄板焼きに比べてうどん・蕎麦はブラジル人の認知度が低い。「うどん・蕎麦のことをもっと知れば食べるようになるのでは」と考えている人は多い。
◆味
 非日系ブラジル人は濃い味を好み、特に塩っぱい味に慣れている。うどん・蕎麦のつゆのように鰹節、昆布、醤油など様々な味が絡み合った複雑な味は合わないようだ。
◆材料
 直接的には無関係だが、日本では簡単に手に入る食材がブラジルでは手に入らなかったり、質がことなったりするため、日本と同じ味を再現することが難しい。
◆食器
 食器に口を付けることはマナー違反。そのためうどん・蕎麦だけでなく丼物も敬遠されがちという。
 また、箸を上手に使いこなす非日系ブラジル人はまだまだ少数派。その上うどん・蕎麦は箸で掴もうとするとツルツルすべるため、寿司・刺身以上に食べにくい。
◆習慣
 ズルズルッと音を立てて麺をすすることができない。「ブラジル人は猫舌で熱いものを食べない」ともよく聞く。ブラジル人が日常的に食べるスパゲティや焼きそばなどの麺類は、汁気がほとんどないのが普通だ。たっぷりの熱いつゆに浸かった麺には、馴染みが薄いのだろう。つづく。
    (大国美加記者)

■和麺=(2)=日本起源のブラジル文化になるか=アンドウ・ゼンパチ記述 「うどんで精神的空腹も和らぐ」

image_print

こちらの記事もどうぞ