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ブラジル版「CATS」=バトン演技取り入れ=「劇団四季」元ヒロインも協力

11月5日(金)

 バトントワリングのブラジル代表チームのメンバーらが、得意のバトンを効果的に取り入れて、世界で大ヒットしたミュージカル「CATS」を上演しようと張り切っている。指導者は代表コーチの簾田武志さんと、以前日本の劇団四季に所属、「美女と野獣」でヒロインを演じたこともある守矢直美さん。「バトントワリングの知名度アップに繋がれば」と、簾田さんは期待を寄せる。十二月十九日には第一回公演も行われる予定だ。
 
 体をしならせ、背筋は曲線を描く。猫になりきって踊る。曲の変化とともにバトンが登場し、華麗なアクセントになっている。
 「バトンを使ってのミュージカルは聞いたことありません。多分、世界で初めてのものじゃないかな」と守矢さんも認める。
 一番可憐な猫を決定する舞踏会。着飾った猫たちが我こそはと踊りを披露する。しかし、嫌われ者の娼婦猫が選ばれる。簾田さんはこの原作をただ踏襲するだけではなく、オリジナルのストーリー展開と、振り付けにもこだわる。
 協力者の守矢さんは一時日本を離れて人生を見詰めなおそうと思い、九月に来伯したばかり。簾田さんから今回の話が舞い込んだのも偶然だった。
 「今まで演技者としての自分しか考えていなかったが、ブラジルに来て教えるという気持ちが芽生えてきました。ただ踊るだけではなく、心を伝え、お客さんを感動させるものを身につけて欲しい」と語る。
 練習に励むメンバーは八月に大阪で行われた第二十五回世界バトントワリング選手権大会に出場した選手たちだ。大会での結果は振るわなかったが、「もっと上を目指そうという気持ちが芽生えている」と簾田さん。「そして、その気持ちがバトンだけじゃなく、例えばブロードウェイ出演といったいろいろな夢に繋がれば――」と話している。
 十二月十九日はアルジャー市のPL講堂で午後三時から。入場無料。

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