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戦前、韓国人はブラジル移住したか=旧神戸移住センターに照会=明らかにしたい在日女性=調査の先行きは不透明

11月6日(土)

 神戸の日伯協会のボレチン『ブラジル』(九~十月号)が、「戦前、朝鮮からブラジル移住をした人がいたか」を研究している在日韓国人女性について紹介している。その人は、全淑美さん。旧神戸移住センター内の移住資料室を訪ねてきた淑美さんに協会の黒田公男常任理事が応対、調査の突破口について、話し合ったという。黒田さんは、研究の行く先は不透明、といっている。
 淑美さんは、現在、福井市で外国人の子弟のために、補助教員をしている。移住資料室を訪ねたのは、福井市で、韓国系・日系ブラジル人を名乗る留学生に出会ったからだという。淑美さんは、戦前に在日の朝鮮人がブラジルに移住したことがあったのか、と驚いた。
 というのは、韓国史のなかで、ブラジル移住第一号は、戦後の朴正煕大統領時代といわれている。淑美さんは、ひょっとして、戦前、朝鮮半島から日本に連れて来られたか、自分の意思で日本に働きに来た人がなんらかの経緯で、ブラジルに移住したのかもしれない、と考え、「研究をすすめるきっかけをつかめるかもしれない」と移住資料室を訪ねたのだった。
 黒田さんは、韓国人のブラジル移住を研究している人について聞いたことがなかったし、研究書も一般書も手元にない。何か手掛かりになるものはないかと、個人的に持っている資料を持参して、戦前の移住にかかわる説明をした。
 それら資料のなかに、旧移住センターの戦前のデータを書いた「神戸移住教養所概要(一九三四年と一九三七年発行)」のなかに「収容移民府県別統計表」があり、朝鮮、樺太出身者数も出ていた。
 黒田さんによると、戦前、朝鮮半島へ移住した人がブラジルへ再移住するケースはあった。データは、当時、日本の植民地としていた地域で、その地に行っていた日本人が再移住したのか、現地の人が、移住していったのか判明していない。しかし、その地から日本人として移住したはずだから、今、在日韓国人が〃ブラジル移住の追跡〃の第一歩を踏み出せたということか。
 戦前、日本に来た人がブラジルに移住したのか、どうかは、確証がつかみにくい。
 黒田さんは、日本の学者も手をつけそうにない、この件に挑戦する淑美さんの姿勢に敬意を表しながら、「糸口をつかんで、全容を明かにしてほしい、という気持ちでいっぱいだ」といっている。

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