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裏千家で「宗旦忌」=節目の年を締めくくる

12月9日(木)

 茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)主催による宗旦忌が、去る十一月二十八日、伯栄庵教場で行われた。
 〇四年は、裏千家茶道南米普及五十周年の節目にあたり、年頭から年間を通して、数々の記念行事が繰り広げられた。宗旦忌が総締めくくりだった。
 川村宗幸さん司会による開会の辞のあと、鶴賀栄治さんのあいさつがあり、第一部追悼式。十五代家元鵬雲斎の舎弟、故納谷宗淡宗匠、中南米で初の名誉師範故武田宗芳氏、会員の故頴川美智子さんへの追悼の言葉、黙祷、供茶(林宗慶、武田宗知)が施行された。
 第二部は、許状引次式、第三部茶会に移った。六畳席(席主松原宗美)では、濃茶が行われ、メキシコの絵図の軸、花入、床に敷かれたエスニックな布などで床飾りがされ、皆具はオニックスでつくられ、メキシコのタラベラ焼きの茶碗や淡々斎(十四代家元)の茶杓などがとりあわされていた。立礼席(席主池田宗美)では、青畳の立礼机やイスが設置され、茶箱や略盆で茶がふるまわれた。短冊は『無事是貴人』、瓠に朝日かづらが差しこまれていた。
 八畳席では、各種の七事式が行われた。また、点心席は水屋、西村宗香、伊藤宗箏、増田宗節、陶宗磨、牧洋子、左藤ケイ子さんらによって行われ、折り撓めの皿に数種の肴がのせられ、吸い物、とりまわし、水菓子と続き、盛り付けの色鮮やかさや珍味に感嘆の声が上がっていた。
 ロンドリーナ、グァタパラ、レジストロ、モジなどからも会員が駆けつけ、百人の参加者を得た。
 特に、五十年間、ブラジルの裏千家を支えてきた故武田宗芳氏(享年九十)の死去は惜しまれる。会員たちは新たな年に向かって精進することを誓い合い散会した。 

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