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聖総領事館=強盗件数 日本の35倍=治安情勢を解説

12月16日(木)

 サンパウロ総領事館(石田仁宏総領事)主催の「安全対策会議」が十四日、同総領事館多目的ホールで開催された。石田総領事、丸山次郎首席領事、警備班の大熊博文領事や日系団体代表ら十五人が参加。大熊領事から最近の治安情勢について説明があった。
 「サンパウロ州の犯罪状況を日本全体と比較すると、殺人事件では二十一件対四件で五倍以上、強盗事件では八百四十一件対二十四件で三十五倍と比較にならないほど多発している」と切り出した大熊領事は、「今年の犯罪傾向としては、サンパウロ市内で月平均三件発生している組織的なアパート強盗や子供の誘拐が増えてきている」と話した。
 さらに、「日系関係では、パウリスタ大通りでのスリやひったくり、企業に対する恐喝(未遂)・脅迫、リオの邦人旅行者の強盗致傷事件や振り込め(オレオレ)詐欺事件などが発生している」とし、「百%防ぐ安全対策はないが、常に油断することなく周囲の状況に注意を払う。もし強盗に遭ってしまった場合には身体的被害を被らないように、あらかじめ十分な心構えをしておく方がいい」などと呼びかけた。
 総領事館では、八月から「サンパウロ安全対策情報(被害速報)」サービスを実施しており、来年一月から開始される総領事館メールサービスで直接、受け取ることができる。希望者は「送信を希望するメールアドレス」「氏名」「生年月日」をcgjregistro2@arcstar.com.brまで連絡すること。
 また、来年一月二十、二十一日、日本から危機管理専門家を招き「邦人安全対策ワークショップ」を開催すると発表した。日本人学校や日系企業などの警備・防犯状況を実地調査及び指導。誘拐、強盗等凶悪犯罪に対する安全対策の講演会も行われる。

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