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「NATAL YUBA」=劇「ダイの冒険」好評

12月28日(火)

「文化活動を通して互いの理解が深まる」と矢崎正勝さんが言うように、ユバ農場での生活に欠くことのできない芸術活動。一年間の活動の成果を発表する発表会「NATAL YUBA」が二十五日午後七時半から、テアトロ・ユバで開かれ、近隣の町から来た人々を含む約四百人の観客が訪れた。
会場には、子ども達が描いた絵画を展示。一歳半から八十二歳までのユバの人々が出演し、ピアノ、弦楽器、フルート、ジャズ演奏、独唱、合唱、バレエ、劇など多彩な活動内容を披露した。
 神や精霊、鬼、動物などに扮した若者やベテラン約三十人が出演した劇「ダイの冒険」(原作・脚本広瀬秀雄)は、「二、三世にも日本の昔話やおとぎ話を伝えよう」と、神話「イナバの白ウサギ」や「ヤマタノオロチ」、民話「さるかに合戦」などの要素を取り入れた。
古代の日本をイメージした衣装や大道具、小道具は全てが手作り。絵本を見ているようなストーリーは、子どもにも大人にも好評で、一幕ごとに会場から拍手がおこった。
約三カ月間の練習を通して、子ども達の日本語に対する理解も自然と深まる。アラサトゥーバで日本語教育を行っている井上由巳子さん(63)は、「自分の教えたい日本語のイメージが、ユバの劇の雰囲気とぴったり。情緒的、文学的、音楽的で、風土を伝えるような言葉だった」と興奮気味に語った。

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