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『アマゾン移民 少年の追憶』 日本の読者にも好評だった =「移民体験が象徴的」「感情抑えた誠実な文章」

1月4日(火)

 「一気に読ませていただきました」――。昨年本紙六面に掲載して好評を博した、小野正さんの自分史小説『アマゾン移民・少年の追憶』を読み終えた読者から読後感が寄せられている。小野さん一家の苦労や家族の深い絆が、素朴な言葉で綴られており、日本の読者からも共感を呼んだようだ。同小説は、現在、ニッケイ新聞ホームページ(小説『アマゾン移民・少年の追憶』)にて公開中。以下、四人の読者の感想を一部抜粋して掲載する。

▼小説『アマゾン移民・少年の追憶』一気に読ませていただきました。
 自分も山形で農業をしています。でも、作者(正さん)に比べたら自分は何をしているのかと思いました。陸稲を、開墾から収穫しているところは、その場面にいっしょにいるように感動いたしました。ブラジルに自分も暮らしたいと思ったこともありますが、自分には到底できないことと思います。
 大変なご苦労をされたのでしょうが、すばらしいご家族、経験など羨ましいです。
 「水は美しくきらきらと輝いて川辺まで透き通って」のあたりは、作者の心も同じように美しいのではないかと思います。
 自分も恥ずかしくない人生になるようにがんばります。感動ありがとうございました。(日本在住・今井さん)

▼『アマゾン移民・少年の追憶』には、多くの移民の方々が体験されたことが、象徴的に著されているのだと思います。何十年も経った事柄の多くは、心の中で浄化され、苦しみも苦しみでなくなってしまうことが多いと思います。それでも、小野さんの心から消えない辛苦が伝わってきました。私には絶対に絶えられないものです。大好きだったお姉さん、兄弟の死。死に様にはほとんど触れていないのが、そのときの悲しみを思わせます。悲しみが深すぎ、あれ以上には書けなかったのでしょう。サンパウロに出て、突然紙数が切れたことを理由に、終わっています。その後の生活は順調だったのではないでしょうか。彼は自分が順調であることについては、自慢話のように思えて、書く気が起きなかったのだと推察しました。(愛知県豊橋市・森猛さん・六十五歳)

▼小野正さんの感情を抑えた誠実な文章と、子供の目から見た素直な観察力にとても気持ちを揺すられ、感銘いたしました。
 私の夫は、戦後(一九五四年)四歳でトメアスに家族移住した準二世ですが、ブレオの奥のほうはその当時、小野さんが居られた戦前とあまり自然は変わっておらず、夫は密林に友達二人で魚釣りに行って、魚は釣れずワニが出てきて、結局それを焼いてその日の糧とし、その日は山に泊まったこと、また山にジャッカを採りに行ったものの、マラリアの再発で、熱が出てしまいジャッカを枕にして半日余り震えながら木の傍に寝転んでいたこと、森の中の学校に毎日裸足で通ったこと等など・・・
 夫も最近トメアスでの少年時代をよく話すようになりましたし、小野さんに共感するところが多いのでしょう、二人で熱心に読ませていただきました。
 戦後、夫たちが移住した当時はピメンタ景気があったものの、その後は病害にやられたりで、夫の家族は早い時期にトメアスを離れています。
 小野さんが今年八月にお亡くなりになったと貴誌で知りとても残念に思っております。心よりご冥福をお祈りいたします。(パラ州ベレン市・諸富香代子さん)

▼貴誌掲載の小説、『アマゾン移民・少年の追憶』を拝読させていただきました。著者小野さんの少年以後(の物語)がない。そのため、確かにこの小説だけでは、「敗者の物語」「失敗の記録」として読むことでもできる。小説最後、小野さんの奥様の言葉にあるように、ご家族にとっては、少し複雑なお気持ちがあるかもしれない。
 しかし、私にとってこの話は、大変貴重な「勝者の記録」。
 こうして、(天に)与えられた命を徹底して素直に生き抜いたこと自体、素晴らしいことです。これほどの艱難辛苦を与えられながら、自棄(やけ)になって犯罪を犯したり、諦めて自殺したりせず、大自然とそれ以上に厄介な人間社会の中で黙々と自分の生を全うされた。信念を持って自分の道を歩き通した。人間としての義務を立派に果たされた小野さんとそのご家族に敬意を表し、同じ日本人として誇りにさせて戴きます。(日本在住・平栗さん)

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