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「研究熱心さ」印象的=新潟県の農業青年ら農業視察1万キロ

1月21日(金)

 【既報関連】ブラジル農業を視察しようと新潟県から来ていた六人の送別会が、十九日夜アクリマソン区の新潟県人会であり、南雲良治会長らが作った特製フェイジョアーダと日本酒が振舞われた。九日来伯した一行は、サンパウロ市近郊の花卉・野菜栽培からアマゾン・トメアスーのコショウ、熱帯フルーツ作りまでを見学。日焼けした顔で充実した日々を振り返り、集まった県人会員と歓談していた。
 一九八八年に始まった新潟・ブラジル農業青年交流事業はこれまで新潟からブラジルへ百五人を派遣、ブラジルから新潟へも五十六人を数える。南雲会長は「今年は初めてトメアスーまで行った。多くの県が農業交流しているが、一万キロを歩いて回る研修はほかにないでしょう」と誇る。
 中越地震で壊滅的な被害を受けた小千谷市の高橋茂さん(56)が一行を代表しあいさつ。「ブラジル農業の素晴らしさに感動した。日系人の方々のご努力とあわせて新潟に伝えたい」と語った。
 県出身の農業者を各地に訪ねホームステイするなどした六人は、パラナ州で新潟県人会北パラナ支部の新年会にも参加した。会場の一万ヘクタールの大豆畑が広がる市村農場(ウライ市)に立って、「ショックを受けた」という最年少の南雲広太さん(23)は「移住者の方は大変勉強していると思った。研究熱心な姿勢が何より印象深い」。永井健吾さん(37)は「わたしたちの農業は先祖伝来。ここでは多くの人がゼロから築き上げた。日本の農業はいま変革期、参考になった」と、収穫十分の様子だった。
 「雪がイヤになったらブラジルに来いよ」。一行は県人会員に見送られ、同日夜日本に帰国した。

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