ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 NHKの海老沢勝二会長がやっと辞任した。いや、遅すぎたが実感ではないか。言うまでもなく幹部職員の不祥事が続き引責したと見ていい。TVとラジオの視聴者は真に正直なものである。昨年の9月に受信料拒否組は三万一千人。このあと使い込みなどが暴露されると十一万人を超す人々が受信料を支払いませんと宣言し、このままだと3月末には五十万人に達するらしい▼言うまでもなく、NHKの放映や放送に必要な経費は受信料を貰うことによって成り立っている。その資金源の水が涸れたのでは、すべてがストップする。NHKの法王とし七年超も君臨してきた海老沢会長の辞任もやむを得まい。NHKへの批判は今に始まったことではなく、雑誌などが非難の矛先を向けて闘ってきた。番組が「反日」であったり、革新系と思われる人々が製作し内容的に疑問とされるものが多いのも否定できない▼海老沢氏は政治部記者として活躍した人であり、この意味では元会長だった島桂次氏と同じ道を歩き頂点まで登り詰めたのだが、任期途中の辞任という不幸な最後に終わった。故人の島氏は池田勇人首相に可愛がられ一世を風靡した名記者として知られるが、海老沢氏は佐藤栄作、田中角栄両氏から竹下登氏に繋がる人脈を誇る▼NHKが、こうした政治家との繋がりが強くなるのは予算が国会の承認を得なければならないためとされ、ここに政界との癒着の源があるのかもしれない。新会長には橋本元一専務理事と決まったが、この悪しき体質からの脱却は大変な仕事と承知してもらいたい。 (遯) 

05/1/27

image_print