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エタノール混入 沖縄から=農務大臣特別補佐官・山中氏が提言=「百周年向け具体案を」

2月17日(木)

 「一介のブラジル人がこんな事を言うと傲慢の極みと受け止められかねないが、ブラジルが何を日本に協力できるか提案したい」。十三日午後、沖縄県人会臨時総会に招待された農務大臣特別補佐官の山中イジドロさんは、講演の中でそう語った。
 冒頭、ルーラ大統領の訪日日程は五月十四日から十八日頃の予定だと明らかにした上で、首脳会談の議題とも言われる百周年に関して「記念事業として何をすべきか、日系社会ははっきりしていないようですが」とチクリ一刺し。
 「百周年は日系社会だけで祝うものでなく、ブラジル社会も十分に祝うべきものと農務大臣は言ってくれました」と報告し、「もっと団結しなくては、ブラジル社会の歴史に残るようなイベントにすることは難しいのでは」と注文した。
 十一日にエタノール売り込みのため、政府使節団が日本へ向かった。大統領の五月訪日に向けて、農業分野での交渉内容を煮詰めている段階のようだ。
 「六十五カ国から成るブラジルへの移民のうちでも日本人は特別な役割を果たしてきた。それに相当する提案が欲しいと大臣は何回も発言してきているが、コロニアからは、なかなか具体的な提案が出てこない」と残念がる。
 山中さんは「日本は先進国中でも食料自給率が低い。ブラジルは農協大国であり、補完関係を深めることが出来るはず。今までは大手商社が間に入っていたが、これからは生産者と日本の消費者が直接組むような形、中小企業ベースの交流が盛んになる可能性がある」と予測する。
 「沖縄の方はとりわけ団結が強い。エタノールをガソリンに混ぜる実験を、沖縄から始めたらどうだろうか。ブラジルの持つエタノールのノウハウを沖縄に伝え、五月に大統領が訪れる時には準備ができるような体制を作れないだろうか。沖縄を事業の拠点にして、アジア全体にエタノールを普及するような民間主導の何かをやってほしい」と力を込めて要請した。
 「もっとブラジル人のプライドを高め、日本と平等の立場で協力し合うすべを考えましょう」と訴えた。

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