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広場から撤去された平野運平胸像=「探して光当てよう」=東京外語大の〃後輩〃動く

2月24日(木)

 フラ・フィーラ(バス専用道路)の建設工事のため、サンパウロ市により「プラッサ・ウンペイ・ヒラノ」から平野運平胸像が撤去された問題で、カフェランジアの日系コロニアと静岡県人会が〃遠慮〃しあう形になっており、解決に向けた動きが前進していない。こうした状況を受けて、東京外語大学の後輩たちが協力を買って出てもよいとの意思を表明した。
 静岡県人会は十八日、役員会を開き、胸像問題について話し合う予定だったが、ふいになった。出席すると見込んでいたコロニアからの代表者が欠席したからだ。「立場上、あちらが主体で動いてもらわないと、話の進めようがない」(関係者談)。
 コロニア側は市会議員など日系政治家を通して、胸像の保管場所を捜し出す考えだ。具体的に、誰に協力を要請すれば良いか分からない。「政治家との接点がないので…」と、声のトーンが下がる。
 県人会が動いてくれることを暗に期待するものの、自尊心からか、この件について連絡を入れていない状態。「広場の現状について、文書で報告してあるけど、返事が来ない」と、県人会が懸念している様子だ。
 こうした状況に、東京外語大学の卒業生が気を揉んでいる。同窓会前サンパウロ支部長の和井武一氏は「通訳五人男にあこがれて、ブラジルに来た人もいます」と力を込めて語り、「野村丈吾元連邦下院議員などに話を持っていってもいい」とコロニアと県人会の動きを牽制した。
 さらに、「仮に、広場自体をほかの場所に移すことになったら、いくらでも協力を惜しまない」とも。
 砂古友久支部長も、「これは、放ってはおけない問題ですね」と明かす。三月三日に、同窓会を開く予定。その席上で、胸像問題について話が出そうだ。
 砂古会長は「ここ十年ほど活動は停滞していたけど、一昨年くらいからテコ入れをして、卒業生が集まってくれるようになりました」とOBの結束力に自信をのぞかせる。
 平野植民地入植九十周年祭典は、七月三日に決まった。それまでに胸像は戻ってくるのか、注目が集まりそうだ。

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