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PSDB申し立て=下院議長、取り下げ決定=PP入閣で裏取引=下院委員会では怒号の応酬=民営化不正は闇の中へ

3月10日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】セヴェリーノ・カヴァウカンチ下院議長(進歩党=PP)は八日、ブラジル社会民主党(PSDB)が上程した、ルーラ大統領が背任罪を犯したとする申し立てを取り下げた。PPから重要ポストへの入閣に大統領府が応じたことで、下院議長がこれを却下した。この申し立ては、下院の審議次第では大統領弾劾裁判に直結するものだった。下院議長への工作は野党を刺激し、議長とゴウドマン下議(PSDB)との間で罵倒の応戦が繰り広げられた。
 怒号が飛び交う中、下院常任委員会が開かれ、ルーラ大統領が前政権上層部の不正を知りながら告訴しなかった怠慢を訴えた、背任罪の申し立てを審議した。これは十一日前に上程されたが、プラナウト宮とPPの間ではPPからの入閣と申し立ての却下で、決着がついていたようだ。
 前政権上層部の不正行為を暴かなかったのは、大統領の紳士的措置だと下院議長は説明した。指摘のいわんとするところは、姑息な汚職行為に対する告発ではなく、結果として引き起こす経済的混乱や政治不安への配慮であるとした。
 議長の覚書朗読をゴウドマン下議が、政治の場を個人の利害取引の場にすり替えたとして激しく抗議した。同下議は、議長が覚書の内容を関知していないという。朗読する前に事実を確かめるべきで、議長は下院議会をでくの坊扱いし、礼儀を欠いていると同下議は応酬した。
 ゴウドマン発言で内心穏やかならぬ議長は、政治の公私混合について報復した。曲者が私に説教する資格はないと個人攻撃に転じた。下院議長はゴウドマン下議に、言葉の応酬がテレビで生中継されていると何度もたしなめた。これが両者の議論に油を注いだ。
 最高裁に対してPSDBが行った大統領告発の説明要求は七日、棄却された。下院の場合、議長決定を下院常任委員会で表決するよう要求できる。自由前線党(PFL)がフォンテレス検事総長宛に提出した大統領告発取り次ぎ依頼は、まだ検事総長の手で眠っている。
 大統領の前政権告発は、就任直後に得た信頼できる筋の情報として事実上、社会経済開発銀行(BNDES)閉鎖にもつながるものだったという。エレトロパウロサンパウロ州電力公団の民営化に際し、社会経済開発銀行(BNDES)からAESへ資金援助があり、前政権要人がそれに関わったというもの。カルドーゾ二期政権の間に同公団の民営化に対し行われた二十二件の訴訟は、全て取り下げられた。
 アレンカール国防相兼副大統領は八日、前政権上層部による公社民営化の不正行為の解明を主張した。国民は、事実を知る権利があるという。不正行為の手口解明が重要で、大統領の告発は、BNDESのような政府機関を閉鎖に追い込む不正行為の告発だとした。
 大統領に不正があったことを報告したのは、カルロス・レッサ氏という噂だ。BNDESが死に体となっていたことを、同氏が世間に暴露する張本人となることを避けるため、大統領と二人の秘密事項として同不正は伏せられた。

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