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日伯大学=日本語センター構想発表へ=伯、汎米のリーダー育成=日語教師資格認定機関にも=「建設案を研究しよう」

3月17日(木)

 ブラジル、汎アメリカのリーダーを育成するため、日伯大学(仮称)をつくろう──。ブラジル日本語センター(谷広海理事長)の評議員会が十二日午後開かれ、日系諸機関に日伯大学建設計画の研究を呼び掛けることを決議。十九日の定期総会で会員に提案する。日伯学園構想は、百周年祭典協会による記念事業の審査からもれた。廃案にするのはもったいないという意見が、日系コロニアに根強く残っており、その要望の声に応える形にもなった。
 ブラジルでは日本語教師の資格がなく、教師の待遇が悪化する原因になっている。そのため、資格を認定する機関(大学)を創立したいという願いが背景にあるようだ。
 発案者は、矢野敬崇評議員会長(58、大分県出身)。長年心の中で温めてきた構想で、昨年からセンターの各種会議で意見を発表してきた。「センターは教師養成を最優先課題に挙げている。まず、もぐりのような経営になっている状態をクリアしたい」と話す。
 さらに、「日本語の背後にある歴史や文化などを、きちんと学ぶ場所をつくりたい」とも望んでいる。
 同氏は、旧南米銀行やコチア産業組合中央会などの崩壊にも言及。「解散に至った原因は、優秀な人材が不足していたからだ」と結論付け、「ブラジルや汎アメリカで指導者となる人を育成しなければならない」と日伯大学の必要を訴える。
 評議員会の決議によると、日本語センターは参加団体(個人)から会費を徴収して、会議を開く場所を提供するほか、事務仕事を担う。「専門職員を新たに雇用する考えもある」(谷理事長)。
 特に百周年という時期にこだわらず、大学の理念・哲学、事業内容などをじっくり検討していく予定。矢野評議員会長は「センターが大学をつくるというわけではなく、音頭を取って建設案を研究しましょう、と日系団体に声をかけていきたい」と張り切っている。
 文協会長に立候補している谷理事長も、日伯大学建設をマニフェスト(選挙公約)に加えている。あくまで、別物だとの立場だ。同理事長は、文協会長に当選すれば両者は合流する可能性があることを示唆している。
 矢野評議員会長は「移民一世がまだ健在である今が、最後のチャンスだと思っている。日本語センターが起爆剤になって、行動を起こしたい」と多くの参加を呼び掛けている。

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