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JICA「世界の笑顔プログラム」――日本の有志団体と日語校交流――マリリアやモジにスポーツ用品など届く=青年ボランティアら橋渡し=礼状出すのを忘れず

3月23日(水)

 国際協力機構(JICA)の「世界の笑顔プログラム」。途上国からの必要品要請について、JICAが日本国内で一般に寄贈品を募集し、集まった物品を現地に送り届けるという事業だ。各地の日本語モデル校が、日本との交流につなげようと積極的に活用している。日伯両国の掛け橋になるものと関係者の期待が膨らんでいるようだ。
 JICAは、〇三年十月に組織改編後、寄付金事業を展開することが可能になり、「世界の──」がスタートした。ブラジル・日系コロニアでは、青年・シニアボランティアがそれぞれの派遣先でニーズを吸い上げた。
 マリリア日系文化体育協会は、少年野球や柔道などが盛んだ。非行防止のため、地域の非日系児童・生徒を受け入れており、バットやグローブ、柔道着などが不足気味になっている。
 シニアボランティアの山田浩さん(52、東京都出身)が、昨年六月に同プログラムに協力を申請。先ごろ東京都内の中学校などから、スポーツ用品をはじめ、書籍、五月人形、灯篭、着物などが届いた。
 「破れた柔道着を着て、練習をしていた子供たちに早速渡したところ、とても喜んでいた」と山田さん。
 返礼として、贈り主にブラジルの地図、マリリア市のTシャツ、シール、写真などを送った。都内の中学校二校から、「展示会で展示し、ブラジル理解につなげた」という知らせが入った。
 交流の輪を広げるため、汎パウリスタ日伯文化協会として、既にオズワルド・クルースなどパウリスタ線の四~五校からリクエストを取り、要望を出したという。
 モジ・ダス・クルーゼス日本語モデル校でも、神奈川県内の外国人支援組織から、コマ、凧、玩具、兜飾りなどの寄贈を受けた。届いたのがちょうど桃の節句(三月三日)のころで、すぐに雛人形の壁飾りを教材に実用することが出来た。
 青年ボランティアの五島聖志さん(39、神奈川県出身)は「今の日本の姿を子供に伝えることが可能。こちらから、礼状などを送ることで日系人に対する理解を深めてもらえることも出来る」と話す。
 物品の発送や仕分けはJICAの仕事。手間隙がかかる。石橋隆介サンパウロ支所次長は「国際交流に大きく貢献できる事業。苦労も多いけど、継続してやっていきたい」と意欲を見せている。

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