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コラム 樹海

 来年から日本の国体へ朝鮮高級学校の生徒や留学生、永住者の資格がある日系ブラジル人らが公式に参加できることになった。ほぼ全面的に門戸を開放するという▼八〇年代の初めから、外国籍の選手、監督の国体参加は徐々に認められてきたが、資格を与えるうえで、今一つ不明確で、矛盾をかかえていた。日本体育協会は今度の決定で、一気にその解消をはかる。この措置によって、国体でブラジル人選手の顔が増えることが予想される▼デカセギの中にスポーツ選手がどの程度いるかわからない。また、技量が優れていても出場する意思がなければ、実現しない。増える可能性は、留学在学生である。高校レベルではすでに相当の資格制限緩和が行われていたが、今度は大学生やインターナショナルスクールの学生も対象になった▼スポーツ留学は「スポーツをするために」滞日している。活躍次第では、プロへの道が開けやすくなる。特に、サッカー、野球にそれがいえる。日本側の関係者としても、その期待があるものと思われる▼八〇年代まで、日本体育協会の特別の計らいで、コロニアの陸上競技の選手が、国体に毎年特別枠で参加させてもらっていた。招待ということもあって、選手は厳選された。ある年、招かれたブラジル側に非礼があったとして、突然、招待が打ち切られた。以来、日本の国体は、遠い存在になっていた▼来年の六十一回兵庫国体からは、日本在住の実力のある選手が在住県の代表として参加可能だ。(神)

 05/3/25

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