ホーム | 日系社会ニュース | 記念事業「全面的」に見直す=下本氏 出馬を正式表明=会見で一部シャッパ発表=中沢県連会長も「入閣」=文協会長選 

記念事業「全面的」に見直す=下本氏 出馬を正式表明=会見で一部シャッパ発表=中沢県連会長も「入閣」=文協会長選 

3月31日(木)

 元サンパウロ州議の下本八郎さん(69、二世)は三十日正午過ぎにサンパウロ市内ホテルで、正式に文協会長選に出馬宣言した。百周年記念に関する活動全般を一時凍結してより多くの声を反映させたものにするよう再考する、文協ビル横の軍兵舎を買収して拡張して日系社会の中心に恥じない施設に改修するなど、十項の公約と共に、中沢宏一県連会長や横田パウロ・サンタクルース病院理事長らも名を連ねるシャッパの一部を発表した。投票まであと二週間に迫った現在、上原幸啓現会長、谷広海さんに続き、〃第三の人物〃が正式に名乗りをあげた。
 公表された下本さんの暫定シャッパの一部には、副会長候補として▼中沢宏一(県連会長、宮城県人会会長)▼永堂ジョルジ(コーペルコチア元副会長、文協正監査役)▼山本エジソン(文協正監査役)▼宮原ジョルジ(相互援助協会会長)▼オオサカ・ノブコ(文協を考える会)▼山根エイタロウ(USP工学部教授)▼横田パウロ(元中央銀行理事)ら七氏が、予算計画担当として池田昭博氏(USP経済学部教授)が名前を連ねた。さらに専務理事としてコロネル・ヨシノリ・キハラを挙げた。
 公約として次の十点を説明した。(1)百周年事業を一時停止して全面的に見直す。日伯総合センターの新しい場所は文協の責任において探す。百周年事業に関して、文協は他団体とのあるべき良好な協力関係を築く。
 (2)新理事会の優先事項は、全伯日系団体が計画する記念事業を網羅した「百周年記念本」の出版。(3)文協の名のもとにブラジル、日本双方の団体や政府とのコミュニケ―ョンを密にする。(4)現在の文協ビルは五十年を経て老朽化しており、日系社会が誇れる場所にふさわしい改修・拡張をする。横の兵舎買収も視野に入れる。
 (5)文協の発展に尽くしてきた先達役員らにより敬意を払いつつ、新世代の活動を活発化させる。(6)日本文化の振興に関わるさらなる人材や才能、財政支援者を発掘する。
 (7)日本文化普及を図るために、日ポ両語による雑誌、本の出版や新メディアの活用を模索する。(8)INSS罰金問題を優先的に解決するために横田パウロ氏の持つ政府上層部とのコネクションを活かす。(9)文協に対するすべての提言・助言は尊重される。(10)若者や女性の参加を増やす。
 下本事務所の内海博日系社会補佐は、「現在の文協役員は前途に明るい希望を失っています。コロニアは新しいリーダーを求めています。手をあわせてこの難関を共に乗り越えて、コロニア総決起、打って一丸となり、素晴らしい文協と百周年祭典協会を結成しましょう」と呼びかけた。
 下本さんは「私は三十年も四十年も、文協役員や日本人会会長やってきた。コロニアのことは十分に分っている。日系社会を良くするために尽力するつもりです」と語った。
 横田パウロさんは、フェルナンド・デ・アウメイダ元サンパウロ市教育局長ら有識者を含む支援グループを紹介し、デカセギ子弟の教育問題解決などにも乗り出すとの意向をしめした。さらに、文化・スポーツ複合施設であるSESCをリベルダーデ区に誘致する検討を、同団体幹部と始めていることも明らかにした。
 ■下本八郎■
 一九三五年、サンパウロ州グアララペス郡生まれ。一九七〇年から九九年まで州議を六期連続務めた。現文協正監査役。国内最大規模の会計事務所キンググループ社長。六三年以来、ブラジル生長の家講師。八四―九二年にブラジル日本語教育連合会会長など歴任。

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