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若い和太鼓指導者2人=2つの組織が招く=演奏者人口末広がりを期待=アチバイアへ細井さん=川筋・小田さんの弟子

4月14日(木)

 日本から二十歳代の太鼓指導者二人が、先月、今月と続けて来伯した。女性と男性だ。ブラジル国内で和太鼓を広め、地域の活性化につなげようとしている二つの組織がそれぞれ招いたもの。二人のバイタリティあふれる指導によって、ブラジルの和太鼓演奏人口が、末広がりになることが期待される。
 川筋太鼓の若い指導者・細井美幸さん(26)が、去る三月二十三日着聖した。アチバイア文協太鼓部(青山明政部長)など小田幸久JICA派遣シニア・ボランティアから指導を受け、川筋太鼓に賛同するおよそ二十団体が招いた。
 細井さんは、小田さんの「弟子」にあたり、現在、福岡で指導員としての腕をみがいているところ。今後一年間、アチバイアを本拠として、関係二十カ所を巡回指導する。
 指導を受けるのは北パラナのロンドリーナ、マリンガなど六グループ、アラサツーバ、プ・プルデンテ、バウルー、マリリア、リオ、インダイアツーバ、ジュンジアイ、サント・アンドレ、アルモニア、サンパウロ市内のグループなど。
 細井さんは、すでにアチバイア、プルデンテなどのグループの練習ぶりを見たが、印象について「熱心だ」「心から好きで(太鼓を)叩いている」と述べた。また、指導の基本方針については「演奏者の個性を尊重しつつ、基本に忠実に、を重要視している」と強調した。ブラジル人の個性は、中学生の年齢、つまり十四歳くらいから強まるとみている。
 アチバイアの青山部長は、今後、パイプのある二十グループと話し合って、川筋太鼓のブラジル支部結成に向け動き出し、できるだけ早い時期に立ち上げたい、といっている。支部でネットをつくり、あるグループの会員が、学業のためにほかに移り住んでも、そこで太鼓が続けられるように、といった配慮がある。
 青山さんは、アチバイア文協太鼓部(電話11・4412・1424)に連絡をとってほしい、と呼びかけた。
―「南陵太鼓」小久保さん=まず国士舘センターへ―
 ブラジル太鼓協会が、福岡県から講師を招請、十二日、「南陵太鼓」の小久保智史さん(23)が着聖した。およそ半年滞伯、協会傘下の太鼓グループを指導する。
 小久保さんは、十一歳から太鼓を始めた。大学を卒業前「海外で太鼓指導を」の話が起き、就職をせずに〃この道〃を選び、このほど来伯した。根っからの「太鼓人間」のようだ。
 ブラジル人の太鼓演奏について、十二日「叩こうという積極的な姿勢が見え、懸命に叩いているのは分かる。しかし、個性は出し切れていないと思う」と語った。自身の今度の指導については「言葉のカベをどう破るかだ」と意欲を見せた。
 また、女性の太鼓熱も高いことにふれ、曲によっては「女性にしかない動きもある」とした。協会幹部によると、協会傘下のブループでは、演奏者は女性のほうが多い。
 小久保さんは、今週末、国士館センターでの合宿を指導。滞伯中の指導日程を検討する。サンパウロを本拠に活動することになる。

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