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こんな文協ビルいかが=若手日系建築家=卒業研究で提案

5月11日(水)

 文協ビル構想あります――。コロニアを賑わせた文協会長選挙の火種ともなった文化センタービル構想。建設予定地となっていたサンパウロ市レオポルジーナ区の建設案が撤回され、リベルダーデ区での建設も視野に入れて、検討されている。
 〇二年USPの建築コースを卒業した高橋マウリシオさん(27、建築家)は在学時、研究対象として文協ビルを取り上げ、「日本文化・社会センタープロジェクト」を発表している。現在の文協ビルを最大限生かしながら、新しい日系社会の交流拠点を、という若い三世からの提案だ。
 「やはり、有名だし、日系人だったら落ち着く場所じゃないでしょうか」と、あくまでもリベルダーデにこだわりを見せる。
 サンジョアキン街からガルボン・ブエノ街に続く土地を買収し、L字型の大きな広場が建設プロジェクトの大きな目玉。「もっと開かれた文協を」と講堂や体育館が道から見えるようなデザインも考えている。
 総工費は一千四百五十万九百レアル。「実現可能な金額では」とマウリシオさんは話す。
 ガルボン・ブエノ街も整備し、リベルダーデ広場までを歩行者天国に、と提案。「そこにバンカの出店やイベントなどを誘致すれば」とリベルダーデの活性化も考慮している。
 「世代間のコミュニケーションが少なくなり、顔だけの日系人が多くなった。このセンターが文化を継承していく中心になれば」と思いを語った。

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