5月14日(土)
ピラール・ド・スール日本語学校主催による「母の日・父の日発表会」が六日午後六時から、同文協会館でにぎやかに行われた。この発表会は、親へのふだんの感謝の気持ちを様々な出し物の形で発表するもので、父母も毎年楽しみにしている。いろいろな内容が盛り込めることもあり、生徒達も日本語学校の行事の中でも特に楽しみにしているという。
夜六時の開始時間には、仕事を早く終わらせた父母や文協の役員・会員などが大勢つめかけていた。例年と比べ来場者かなり多いということで、日本語学校に対する関心・意識の高まりがうかがえた。
先生や生徒たちによる発表会には十のプログラムが用意された。劇や合唱、笛演奏、コント、遊戯、体操などバラエティに富んだ内容であり、途中小さいハプニングなどもあったが、どれも日本語学校の生徒らしく仕上がっており、来場者は感心していた。
中でも児童全員による合奏「大きな古時計」は見事だった。笛やけんばんハーモニカを始め、木琴や鉄琴、シンバル小太鼓などもあり、その光景はまさに日本の小学校を思わせる。練習期間はわずか二週間というのだが、それぞれの楽器の音色が一つとなり、迫力ある演奏に聞き入った父母達からは大きな拍手がわいた。
子供から両親へのプレゼントもあり、生徒達がそれぞれ飾りに工夫を凝らした手作りの小物入れを受け取った母親たちは大喜びする光景も見られた。
発表終了後、母の会会長の岩井パトリシアさんが挨拶で教師の指導に対し感謝の言葉を述べ、父兄会長の武安洋さんと共にお祝いのケーキカットを行い、夕食に移った。
夕食は毎年、生徒と教師らが調理した料理を用意。ふだんあまり口にしない料理で、日本ではなじみの料理を、と毎年趣向を凝らせており、今年はかやくご飯とお好み焼き。その場で焼くお好み焼きには、父母らは列で順番を待ちながら興味津々に見入っていた。
当初、教師たちは料理が父母らの口に合うか心配していたが、どちらの料理もとてもおいしいと大好評。デザートはマラクジャと柿のゼリー。ピラール・ド・スールは柿の産地であり、今はまさにその季節。ゼリーというアイデアとそのおいしさに、父兄達も驚きの声をあげていた。
例年以上の来客と予想以上の料理の好評で、準備した百八十人分があっという間になくなった。料理を取ることが出来ず食べられなかった人もおり、またやってほしいとの声があがっていた。
日本語学校だけでなく、様々な情操教育が集約されたピラール・ド・スール日本語学校の母の日・父の日発表会。三時間半近く及んだこの発表会は例年以上に大盛況のもとに終わった。